京都大学女性研究者支援センター病児保育室設置記念式典 挨拶 (2007年2月5日)

尾池 和夫

 皆さん、おはようございます。たくさんの方に集まっていただいて、ありがとうございます。

尾池総長 昨年、2006年9月5日に、本学は女性研究者支援センターを设置いたしましたが、その事业の一つとして、病児保育室を设置することが予定されていました。このたび、学内関係者のご努力によって开室にこぎつけることができました。

この病児保育室の设置は、京都大学の长年の念愿が、文部科学省科学技术振兴调整费の助成を受けることによって実现したものですが、医学部附属病院からのスペースのご提供と、设置に当たっての种々のご努力のお阴でもあり、この场を借りて、みなさまに深く感谢申しあげます。

本学には约3千人の教员がおりますが、そのうち女性教员は约200人、女子院生は约2,200人おります。この人达が、结婚して出产する时に最初にぶつかる问题は、子どもを预ける保育园の问题です。保育园は途中入园が困难なので、4月までみなさん子どもを预ける场所には苦労されているようです。

运良く保育园に子どもを预けることができた场合も、子どもが病気になった时は、保育园には行くことができません。しかし、研究?教育?诊疗は子どもが病気だからといってやめるわけには参りません。授业で待っている学生がいますし、研究で动物を扱っている人たちは毎日観察?実験?饲育をしなければなりません。机器を予约して実験している人は、それをキャンセルすれば、次は1年后という场合もあるわけです。病院で诊察をされている医师の方々は、人命に関わることなので、もちろん休むわけにはいきません。理论的な研究をしている人は、いいかというとそうではありません。研究はある意味で竞争なので、论文を投稿した场合は受理年月日が非常に重要となってきます。受理月日が早い方にプライオリティーがあるわけです。

こういった问题は、女性研究者に特有なことではなく、もちろん男性研究者も职员も、子どもを持っている人にとっては共通のことで、働き、学ぶものにとって病児保育室の开室は长年の强い念愿でありました。

本日、ここに开室した病児保育室は、原则として本学の女性の教职员及び学生が利用できると内规には书いてあります。これは、女性研究者支援センターの事业であり、京都大学としても初めての试みなので、まずここから始めてみようということです。运用を始めて、今后どのような需要があるかを见て、大学としては将来の方向を考えていこうという所存です。

病児保育室开室に当たりご协力くださいました関係各位、ならびに本日ご参加のみなさまにお礼を申し上げますとともに、今后とも皆さまのご支援をお愿いして、病児保育室発足に当たっての私のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

集合写真