京大の「実は!」Vol.35 「京大のサークル活動の実は! ~国内唯一のブーメランサークル「く」に迫る!」

京大といえば、バラエティ豊かなサークル活动もとっても盛んです。

体育会系から文化系、さらには分别不可能系まで、実にたくさんのサークルがあります。

そんな数々のサークル活动の中から、京大ならではのマニアックなおもしろサークルを绍介する、広报叠のサークル潜入シリーズ。

记念すべき第1回目は、 京大公认「ブーメランサークル「く」」 をご绍介。なんと、ブーメランサークルがあるのは、国内では京大だけなんです!

「く」の部员たち(左から、吉田晋平(法学1回)、神谷武志(薬学2回)、立花拓也(工学4回)、吉田涌弥(理学2回)、楠山直征(工学1回)、今村洸辅(工学1回))。现在、所属部员は9名。

みなさんお察しかと思いますが、名称の「く」は言うまでもなく、ブーメランの形を表しているという、それだけで既にマニアックな気配漂うサークルです。

竞技人口が少ないスポーツゆえ、勧诱时の杀し文句は「世界に一番近いサークル」。

そんな「く」に、広报叠が潜入しました!

ブーメランサークル「く」ってどんなサークル?

「人は里切るが、金は里切らない」という淋しいセリフがドラマ等で言われる现代社会

しかし、里切らないのはお金だけではないと我々は信じています

裏切らないもの ― それはブーメランです
风を読み、正しく投げれば、ブーメランは里切らずちゃんと帰ってきてくれます

私たちはそんなブーメランを作り、投げ、キャッチしています
???

「く」の のトップに掲げられたこのキャッチ。

ふ、深い???。そんな、现代人が忘れかけた纯粋な心を取り戻してくれるヒントは、ブーメランにあるのかもしれません。

???とはいえ、なかなか简単には帰ってきてくれないブーメランに里切られながら、日々格闘する「く」の部员たち(笑)。

そんなブーメランサークル「く」は、愛するブーメランを作り、投げ、キャッチするサークルです。 「ブーメランを楽しむ」をモットーに、メンバー同士が楽しく交流しながら活動しています。

サークル设立発端は、「力学続论」?!

「く」は、ブーメランに興味をもっていた天野琢也さん(総合人間学部卒)によって2004年に創設されました。設立の際に、青山秀明 理学研究科教授(現サークル顧問)の全学共通科目「力学続論」でブーメランの力学的な原理が取り上げられたことから、顧問就任を依頼したそうです。

ちなみに、现在も青山先生の讲义では、室内用ブーメランを使った実演もされています。( 青山先生インタビューはこちら

まずは、ブーメランの基础知识から!

潜入したものの、広报叠は致命的なことを知らずにいました。

そもそも、ブーメランて、何を竞うんだろう???

ブーメラン竞技は、「投げて、戻ってきたら取る!」がキホン。 「飞距离」「キャッチ」「正确さ」 がブーメランの3要素です。

年间4回の国内大会で行われる竞技は全部で6种类。竞技に种目によって、ブーメランの形状もさまざま。

国内大会の竞技种目は、これだ!

  • 「ファストキャッチ」:飞ばして、取るまでの时间の早さを竞う
  • 「アキュラシー」:いかに正确に戻せるかを竞う
  • 「惭罢础」:滞空时间を竞う
  • 「トリックキャッチ」:取り方を工夫する妙技
  • 「オージーラウンド」:飞距离と、中心からどれくらい近い地点でキャッチできるかを竞う
  • 「エンデュランス」:5分间で何回投げて取ってを繰り返せるかを竞う

◎竞技内容について、さらに详しくはこちらをチェック!
? 日本ブーメラン協会

2年に一度の世界大会では、上记6种类に加えて、4人1チームで戦う団体戦もあります。

京大は、この世界大会になんと过去5回(6人)も出场実绩が!

サークル创设者の天野さんは、カイリー竞技(世界大会で行われる种目で、古来オーストラリア先住民が狩猟に用いたブーメランで竞うもの)の世界チャンピオンを2大会防卫中。さらに、2010年开催のローマ大会では、当时の部员、深泽景光さん(総合人间学部卒)もカイリーで世界チャンピオンに!

世界的に竞技人口が少ないスポーツゆえ、勧诱时の杀し文句は「世界に一番近いサークル」。冗談抜きで、世界を目指せるんです。そんな学生サークル、なかなか無いですよね!

「く」の活动を绍介します!

ブーメランは、ただ力任せで投げるのではなく、思い通りの飞行をさせるための知识、的确な力の入れ方、风を立体的に読む力が必要な竞技。そのために「く」では、ブーメランの製作?练习を通じて技术、経験、知识を総合的に锻えています。

ブーメランサークル「く」の活动内容

  • 昼练:2限~昼休み~3限の空き时间に吉田グラウンドでブーメランを投げます。(週1~2回)
  • 作る会:放课后に作业场でブーメランを作ります。(週1~2回)
  • 练习(远征):京都や奈良へ投げに行きます。社会人が参加することも。(月に1回程度)
  • 大会:当サークル主催で大会を京都で开きます。(年に1回程度)

昼练

この日は雨の翌日とあって、吉田グラウンドは水浸し。???ですが、野球部の练习がないため、「く」にとっては、グランド全面を使えるまたとない练习日和。

新入部员のほとんどが、大学でブーメランデビュー。先辈から基础を学び、あとは自分で実践を积んで学んでいきます。种目别にひとしきり実践しますが、やはり得意不得意に分かれてくるそうです。

力任せに投げるもの?と思いきや、そうではなく、角度や力の入れ方など计算しているそう。头脳も必要なスポーツなのです!

グランド全面を使ってのびのび投げられる喜びを噛みしめる部员たち(笑)。

京大にきて初めてブーメランを手にしたという吉田さん。戻ってくる感覚にはまってしまったそう。

意外と肩を使う竞技であるブーメラン。何时间も梦中で投げると、翌日の筋肉痛がスゴいそう???。

黙々と投げ続ける今村さん。この日は无风で、ブーメランには絶好のコンディション。

ベテランの先輩、立花さんのレベルになると、こんな技も! 足を上げてキャッチしたり、背面でキャッチしたり。
なんだか優雅です。ブーメランを「自由自在に操ってる感」が全然違う! さすが!

広报Bも体験しました!

初心者用「ソフトブーメラン」で人生初のブーメランデビュー。持ち方は亲指と人差し指で挟んで軽く持ちます。

最初は见よう见まねでやりましたが、虚しく落下するのみ???。立花先生に教えてもらって投げ方を少し変えると???

徐々にカーブを描くようになりました! この風をつかむ感覚、確かにはまる!

作业场を覗くと、黙々と作业する部员たちが???

「作る会」

週1~2回は、放课后にボックスにある作业场に集まって、ブーメランを作ります。

ブーメラン1本を作るのに、大体4~5时间くらいかかるそう。道具も1から手作りするスポーツ竞技ってなかなかないですよね。

伸びる部员ほど、积极的に投げるし、积极的に作るんだそうですよ。

スポーツサークルとは思えぬ风景ですが???、ひたすら「作る」ことも重要な活动!

既存の型をなぞって下书きをし、切り取るところからスタート。意外とざっくりなんですね(笑)。

电気のこぎりで、慎重に型をくりぬいていきます。ここでいかに製図に忠実にカット出来るかが、后の削る作业を左右します。

カットしたら、あとはやすりで削って微调整。竞技种目别に、さまざまな型のブーメランを作ります。

歴代ブーメランの仓库に潜入!

作业场とは别に、「く」が独自で所有する部室には歴代ブーメランが大切に保管されています。

ブーメランの形は、竞技种目によって决まっていますが、素材は何でも翱碍。軽さが重要なため、木やプラスチックが多いそうです。ならば、京大の研究力を素材开発に生かせば、もっと高性能なブーメランができるかもしれませんね~!

独占して使える部室を所有するのはサークルの夸り。「先辈たちの努力の结晶です」

ブーメランて、こんなにカラフルなんですね! 競技種目によって、形状もさまざま。

ブーメラン爱を感じる贴り纸。

これはアボリジニーの狩猟用ブーメラン。でかい!

小さな穴や、羽についているゴムなどは微细な重さなどを调节するための重要な细工。

これは外国人选手のサイン入り。大会に出场すると、外国人选手と交换することも。日本の大学生の选手は珍しいため、交换を求められることも多いそうです。

ブーメランに名前をつけている人も多いそう。こちらは「みどりのしっぽ」。

遠征投げ ~淀川河川敷投げ~

竞技特性上、広いスペースを必要とするブーメラン。

普段、构内での练习では肩身の狭い「く」なので、月に何度かは広いスペースに远征して思う存分投げる练习をしています。この日は「淀川河川敷投げ」。その他「奈良投げ」や「宇治投げ」など、そこに広场があるかぎり、さまざまな场所で投げて投げて投げまくります。

トリックで背中キャッチに悪戦苦闘する楠山さん。

こんな大技の练习ができるのも広いスペースならではですね!

しかし???この日の淀川河川敷投げでは、爱するブーメラン3本が骨折および行方不明になるという悲剧があったそうです???。

时に辛い别れも味わいつつ、また新たなブーメランを「作り」、そして「投げる」。こうしてブーメラン爱も技术も熟成されていくのです。

今年はNFで初の出展「ブーメラン博物馆」もやりました!

今年の11月祭(11月に実施される京大の学祭。通称狈贵)では、ブーメランの存在を世に知らしめるべく、世にも珍しい「ブーメラン博物馆」を初出展。

仓库に保管されているブーメランを展示し、ブーメランの歴史や竞技、原理の説明を行いました。

部员自らも「意外でした」というほど、盛况だったブーメラン博物馆。展示のほか、纸ブーメラン体験なども大いに盛り上がりました。

「我々が何をせずともブーメラン达は人を魅了するのです」(产测部员)

こんな変わったブーメランもありましたよ!

「単に珍しさだけではありません。美しい色彩にスリムな体躯、持った时の手にフィットする感覚、そして慎ましやかな重量」(产测部员)

部員に聞きました! 「ブーメランのここが魅力!」

  • 1から道具を作るという魅力がある。そんなスポーツはなかなかないと思うし、道具に爱着もわく!(楠山直征)
  • 竞技人口が少ないので、小所帯ならではのあたたかさもあるし、みんな密になる。社会人との交流なども多い。(吉田晋平)
  • 投げたら絶対に戻ってくる! そんなスポーツ他に無い。それに、一人でもできる!(渡邉大輔)
  • 実际にやってみて、想像以上のダイナミックさにはまった。(吉田涌弥)
  • 简単にできそうでできない、その絶妙な难しさがおもしろい。「あともう少しでとれるのに!」といったもどかしさにはまる。また、ちょっとした変化や调整で大きく変わってくるところも魅力。(今村洸辅)

「く」顾问 青山先生にインタビュー!

ご自身もブーメランが大好きという青山先生。「写真にはブーメランではないものも2点写っています。さて、どれとどれでしょう?」。みなさん、わかりますか?

顾问の青山先生にお话を闻きました!

Q. 授業では、どのようにブーメランを使っているんですか?

理工系1、2回生向けの「力学続论」の讲义で使っています。

剛体の運動を主に取り上げるのですが、ここでは Newtonの運動方程式から出発し、剛体の運動の理論を構成し、それをさまざまな具体的な例に適用します。その中には、車輪、ビリヤード、スーパーボールなどもあり、ブーメランはその一環で、もっとも面白い題材でもあります。

ブーメランの翼が空気中を动くために発生する扬力について简単なモデル化を行い、それまでに构成した刚体の理论を使って运动を计算をすると、ブーメランが戻る条件が求まります。この条件から、ブーメランを「うまく」投げるということは物理的にどういうことかも分かるんですよ。

讲义ではさまざまなブーメランを见せた上で、小さく柔らかなものを実际に投げて、手元に帰ってくるデモンストレーションもします。

Q. ブーメランの魅力とは?

私はブーメランもフリスビーも大好きです。特にブーメランは、投げて手元に帰ってくるのを捕まえられると楽しいものです。よい运动にもなりますしね!

游ぶには周囲に気を使う必要はあると思いますが、「く」のような惯れた人たちは适切な场所をよく知っています。そのような団体を探して参加されるのもオススメです。

京大生なら、「く」に参加して、世界大会を目指すのも良いのではないでしょうか!

◆ ◆ ◆

「京大のサークル活動の実は! ~国内唯一のブーメランサークル「く」に迫る!」 、いかがでしたか?

サークル活動でも、学業でも、全力でのめり込めるものがあるのはすばらしいこと! 京大の恵まれた環境の中で、学生たちにはそういうものに出会って欲しいなあと思います。

今后も、京大ならではのサークル活动を绍介していきます。お楽しみに!

関连リンク

京都大学ブーメランサークル「く」

京都大学クラブ?サークル等一覧

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education-campus/campus/activities/circle/

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