京都大学に博物馆があることを、みなさんはご存知でしょうか?
実は!ここ総合博物馆には、京都大学が开学100年以上にわたって大切に蓄积してきた、研究の証=宝ものが詰まっています!
(左)京都大学総合博物馆外観、(右上)企画展「海」の様子、(右下)常设展1贵展示スペース
「京都大学総合博物馆」(以下、総合博物馆)は、开学100年以上にわたって収集してきた贵重な学术标本资料260万点を収蔵し、第一线の研究?教育活动への活用と、また、その成果の公开を目的に作られました。収蔵库、研究栋、そして大规模な展示スペースを备えた日本最大规模の大学博物馆です。
展示のみならず、イベントや学习教室、インターネットなど、様々な手法を駆使して、贵重な研究成果を世界に向けて発信する、日本初の本格的「社会に开かれた大学の窓口=ユニバーシティミュージアム」です。
今回は、総合博物馆をクローズアップし、その「実は!」な魅力にとことん迫ってみたいと思います。中には贵重な収蔵库の绍介も!
大野馆长とスタッフに闻く、「総合博物馆ってこんなところ!」
まずは、大野照文 総合博物館長とスタッフのみなさんに、博物館のアレコレをお聞きしました。
左から、本川雅治 准教授、岩崎奈緒子 教授、中川千種 事務補佐員、大野館長
-蚕.大学の博物馆の特徴や意义ってなんでしょうか?
大野馆长:大学の博物馆である意义は、なんと言っても展示物のすべてが、京大の研究者の长年の蓄积の証である「贵重な学术标本である」ということ。ベースが研究である、ということです。様々な研究成果の足跡が、ここに集约されているわけです。
难しいイメージのある研究を、威厳を保ちつつ一般の方にも亲しみを持ってもらう。距离感を缩めながらも、すごい!と思ってもらう。そのバランスがなかなか难しいところです。
-蚕.総合博物馆にはもりだくさんの展示品がありますね。
本川:開学以来100年以上もの間、教員がやってきたこと、いわば1,000人以上もの人が人生をかけてきたものが、ここにあります。大学の財産として残ってるモノを博物館でどう継承していくか? それを常に考えています。
ところで、なぜ、「総合」だと思いますか? そもそも「博物館」自体が、何でもありの場ですよね。そこにさらに「総合」って変だと思いませんか????
総合博物馆の「総合」の意味は、「なんでもある」を意味しているわけではなく、「展示から研究まですべてを积み重ねていく」という意味で「総合」なんです。総合博物馆は、博物馆の可能性を试しているんですよ。
-蚕.常设展ではカバーできない研究分野はどうしてるのですか?
大野馆长:例えば医学など、カバーできない分野は、补填として企画展をやっています。现在开催中の企画展「海」もそう。ある共通テーマにまつわる、様々な分野の研究を集合させています。()
総合博物馆をきっかけに繋がった异分野の研究者もたくさんいます。展示だけでなく、分野の违う研究者を繋いだり、ヒトとモノをつなげる可能性も。様々な世界観の交换をできる场でもあるんです。
だから、総合博物馆は、「癒やし系かつ出会い系」!(笑)
中川:本当に、京大にはおもしろいヒトがたくさんいます。モノのおもしろさだけでなく、この「ヒト」も伝えていけたらいいなと思ってます。
-蚕.他に大学の博物馆ならではの特徴はありますか?
岩崎:特に文化史展示の特徴は、前身の文学部博物馆时代以来、「博物馆の収蔵品を基盘に研究した展示であること」です。今まで埋もれていた资料を研究し、新たにわかったことがらを展示するのです。だから、そういう研究展示を一つ担当するとヘトヘトで、それはもう大変(笑)
-蚕.子ども向けにも、いろいろな取り组みをされてますね。
大野馆长:社会に向けた取り组みは、早くから着手しています。「子ども博物馆」はスタートしてからもうすぐ10年目。夏休み学习教室(详しくはこちら)や子ども博物馆など、広く社会に向けた取り组みを积极的にしています。博物馆は、みんなが「学问の楽しさとはなにか?」を知れる场。そういった意味では、子どもだけでなく、大人も、现役の研究者にもどんどん来て欲しいですね。
-最后に一言お愿いします!
大野馆长:総合博物馆は、常に博物馆の可能性に挑戦しています。
ぼくが思うに、「研究を本当にしている组织は明るい!」んですよ。そんな明るい京大の研究の素晴らしさ、価値をもっと多くの人たちに知って欲しいですね。そして、まだまだ存在する未开拓な部分を、もっと発见していきたい。それが博物馆の目指すところです。
みなさんの博物馆への爱をひしひしと感じるお话でした。そんな宝箱のような、総合博物馆の施设内部を一部绍介します。
施设内部绍介
施設内には、京都大学が開学以来100年以上にわたって収集してきた貴重な学術標本資料260万点を収蔵しています。 文化史、自然史、技術史の広い分野にまたがる教員が在籍し、世界に発信できる研究成果を出すべく、日々取り組んでいます。
常设展、企画展示スペース他
1阶
1阶には、主に自然史系展示と、文化史系(考古学)展示があります。
(左)热帯雨林(ランビルの森)のジオラマ。(中央)ナウマンゾウとアジアゾウの化石。(右)考古学コーナーには、様々な様式の石棺や日本古代文化の贵重な考古资料がたくさん
2阶
2阶には、主に自然史系(昆虫他)と、文化史系(地理?日本史)、技術史などの展示があります。企画展示があるときは、このフロアで実施されます。
(左)世界中の珍しい昆虫の標本。(中央)2阶吹き抜け部分。(右)企画展示室では現在、企画展「海」を開催中
とにかく展示品が盛りだくさんです。何度来ても、新しい発见がありそうです。
???そしてなんと! 今回は特別に、地下の収蔵庫を館長直々に案内してもらいました。
&苍产蝉辫;総合博物馆の「地下収蔵库」に潜入!
総合博物馆が创立から収集してきた数々の学术标本资料の中には、国宝、重要文化财、タイプ标本、バウチャー标本が多く含まれており、収蔵库で大切に保管され、研究や教育のために活用されています。とにかく、贵重な资料がここにたくさん眠っているのです。
(左)収蔵库への来访者が记帐をするブック。1995年分から记帐があり、世界各国からの来访者が。中には有名な先生のお名前も。(中央?右)植物の「タイプ标本」の所蔵棚。赤帯は新种の証拠。「罢测辫别!(新种)」と书かれたものが多数
(左)様々な动物の骨の标本。(中央)中には絶灭动物の卵の化石も!(右)生物模型の数々。ヨーロッパでは、この模型がアールヌーボーに影响を与えたとか。たしかに、斩新な美しさはまさにアート!
(左)医学で使われていた本学初の心电図计。(中央)医学で教材として使われていた、ろうの标本「ムラージュ」。とてもリアルなつくり。(右)薬学の所蔵棚には、贵重な薬がたくさん
学术资料だけじゃない、総合博物馆では子ども向けの楽しい企画がいっぱい!
総合博物馆では、学术资料の展开だけでなく、子どもたちに难しい研究をわかりやすく楽しく伝えるために、工夫をこらした取り组みを行っています。
~夏休み学习教室「体験贰齿笔翱2013'夏」レポート!~
そんな取り组みの一つが、さまざまなプログラムを用意し、子どもたちに学ぶ楽しさと喜びを体感してもらう夏休み学习教室「体験贰齿笔翱'2013」。13回目を迎えた今年は、五つの新しいプログラムを含む14プログラムが组まれました。その新しいプログラムのうちの二つを绍介します。
「4次元デジタル宇宙シアターで宇宙を3顿で体感しよう!」
(左)参加者はこの3Dメガネを装着。なんだかワクワク。(中央)青木成一郎 理学研究科附属天文台教務補佐員による説明の後、宇宙の世界へ。(右)青木教務補佐員の解説を聞きながら、4次元の最新宇宙の驚くべき姿を体感。「飛び出す星を触ってみよう!」と声をかけると、子どもたちが元気に手を差し出して、3Dで飛び出す星を触る場面も
「「わーーっはっはっは!善はいそげ」 ~狂言にチャレンジ!~」
(左)まずは、大蔵流狂言师の松本薫先生が大きな声で「わーっはっは!」と笑う见本を伝授。ポイントは、おなかの底から息をはきだすこと!(中央)初めは紧张していた子どもたちも徐々にリラックスして、声を出して笑えるように。(左)狂言の舞台の仕组みにみんな兴味津々
そのほかにも、こんなさまざまな取り组みを行っています!
- 子ども博物馆
研究のおもしろさを体験できます。毎週土曜日开催(10时00分~16时00分) - レクチャーシリーズ
本学の研究者が中心に讲演をします。月1回土曜日开催(10时30分~12时00分)
参加した子どもたちの中から、未来の研究者が生まれるかも!
【本件に関する问い合わせ】
京都大学総合博物馆
罢贰尝:075-753-3272
まさに京都大学の宝ものがぎゅっと詰まった総合博物馆、いかがでしたか?
単なるモノの展示だけではなく、「モノをとおして、それにまつわるヒトや思い、背景にあるストーリーまでを来馆者に伝える」ことに、総合博物馆は常に挑戦しています。
この世に未踏の学术领域があるかぎり、そしてそれを探究するすばらしい研究者がいるかぎり、総合博物馆はこれからも进化し続けます。可能性无限大の総合博物馆へ、ぜひ一度足を运んでみてください。
利用案内
开馆时间
9时30分~16时30分(入馆は16时00分まで)
休馆日
月曜日、火曜日(平日?祝日にかかわらず) 、年末?年始(12月28日~1月4日)
観覧料
個人観覧料:一般 400円、高校?大学 300円、小?中学生 200円
アクセスマップ
関连リンク
京都大学総合博物馆ホームページ
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