2009年9月8日
京都大学
佐世保重工业株式会社
戸田建设株式会社
日本ヒューム株式会社
京都大学、佐世保重工业株式会社(社長:森島 英一)、戸田建设株式会社(社長:井上 舜三)、日本ヒューム株式会社(社長:野村 静夫)は、長崎県佐世保市において、世界で初めて、鋼?PCコンクリートのハイブリッドスパー構造による、浮体式洋上風力発電施設用プラットフォームを共同で開発し、10分の1モデルの実海域実験によりその有効性を確認しました。
自然エネルギーの活用は世界的な课题になっておりますが、世界的には风力発电が大きなシェアを占めています。しかし我が国では、陆上部における风力発电の适地が减少倾向にあり、比较的风况の良い山岳部でもアクセス道路の整备などのコスト负担が増加しています。そこで、世界第6位の排他的経済水域を保有する海洋国家としての立地と、洋上が陆上に比べ风况も良くエネルギー赋存量が膨大であることから、洋上における风力発电の実现が期待されています。
洋上风力発电施设の立地としては、我が国の沿岸部は风光明媚で豊富な海洋资源に恵まれていることから、冲合での立地が求められていますが、我が国の近海の海洋地形は急峻であり、着底式だけでなく、水深の影响を受けにくい浮体式洋上风力発电施设の実现が求められています。
そこで、构造的、水理的安定性とコストパフォーマンスに优れたスパー形状を採用し、京都大学2次元水槽による100分の1モデル(2007年)、海上技术安全研究所深海水槽による20分の1モデル(2008年)と実験を重ねた结果、我が国の海域条件には、水深50尘程度の比较的浅い海域から100尘以深の海域まで、広い海域で対応可能な形式が有効と考え、钢と笔颁コンクリートを用いたハイブリッド构造による浮体を开発し、10分の1モデルによる実海域実験により検証しました。
今回开発した浮体式洋上风力発电プラットフォームは、笔颁部材のプレキャスト化と造船所のドックの活用により、既存施设で短期间での建造が可能であるだけでなく、大型クレーン船が不要で、建造后の曳航、设置が短期间で済むこと、繋留位置の変更により移设が比较的容易なため、设置箇所の経年的な风况変化やエネルギー需要に変化が生じた场合でも、柔软に対応できることが特长です。
これらの特长を生かし、本プラットフォームは离岛などでの活用が期待されるだけでなく、大都市近郊での大规模ファームでの活用、近隣诸国への输出なども期待されます。
本実験の成功により、设计、建造などの技术的课题を土木技术と造船技术の融合により克服したことから、洋上风力発电プラットフォームは実物大モデルでの実用化を残すだけとなり、実用化に向け新たな段阶を迎えることになります。
なお、本実海域実験の一部は、科学研究費補助金基盤研究(B)「浮体式洋上風力発電施設の動的応答と成立性評価に関する研究(研究代表者:宇都宮智昭 工学研究科 准教授)」の助成により実施されました。
![]() &苍产蝉辫;実験の様子 | ![]() 実験モデル(10分の1) 全長12.5m 吃水7m(水中部分) |
![]() 実物大モデル完成イメージ(2惭奥级) |
- 日本経済新聞(9月8日夕刊 3面)、読売新聞(9月9日 25面)、長崎新聞(9月9日 1面)および西日本新聞(9月9日 1面)に掲載されました。