进行期メラノーマに対する树状细胞を用いた免疫疗法~进行期メラノーマ患者に朗报~

进行期メラノーマに対する树状细胞を用いた免疫疗法~进行期メラノーマ患者に朗报~

2011年7月19日

 医学部附属病院は、有効な治疗法の乏しい进行期メラノーマに対して、树状细胞を用いた免疫疗法の临床研究を开始します。

 远隔転移のある第滨痴期メラノーマ(悪性黒色肿:皮肤などに発生する悪性肿疡)はきわめて难治性の疾患で、その生存期间を有意に延长させる有効な治疗法がなく、また既存の薬物疗法(化学疗法、サイトカイン疗法)は副作用も强いため、有効性と安全性に优れた新しい治疗法の开発が求められています。

 メラノーマは免疫疗法が比较的有効な悪性肿疡として知られており、さまざまな方法が试みられていますが、有効性と安全性において満足できる治疗法は确立していません。今回の临床研究では、患者自身の血液细胞を培养して树状细胞とよばれる免疫反応を高める细胞を诱导し、これにメラノーマ抗原(免疫反応の标的)を加えて投与するとともに、免疫反応を増强する薬剤を併用して効果を高めることを狙います。

 この方法は、共同研究先のSBIバイオテック株式会社が米国ベイラー研究所(Baylor Research Institute、テキサス州ダラス)とのライセンス契約締結を受けて進めてきたもので、医学部附属病院とSBIバイオテックはこれまで、樹状細胞療法の分野で世界有数の研究施設であるベイラー研究所から本治療法に関する技術移転を進めてきました。

 本临床研究は、医学部附属病院医の伦理委员会の承认を得て、血液?肿疡内科と皮肤科が、输血细胞治疗部、探索医疗センターを中心とした院内各部署の协力の下、共同で実施します。10名の患者を対象とし、安全性と有効性を検証します。2011年7月より登録を开始し、登録期间は2年间を予定しています。

 本研究により、本治疗法の安全性と有効性が确认されれば、现在、有効な治疗选択肢のない进行期メラノーマ患者に対して、蚕翱尝(生活の质)を维持しながら生存期间を延长できる新たな治疗法になるとともに、メラノーマの予后改善につながるものと期待しています。

树状细胞疗法について

 樹状細胞療法は、患者自身の免疫細胞である樹状細胞に体外で癌抗原を加えて投与する免疫療法のひとつです。体内に戻された樹状細胞はリンパ器官に移動し、癌抗原を提示して、癌細胞を攻撃する細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte; CTL)を活性化します。

 本治疗法は、(1)副作用が少なく、(2)癌细胞选択的に作用し、(3)治疗効果の长期间持続が期待できる、という利点があると考えられています。

研究メンバー

  • 主任研究者:
    門脇則光 医学研究科内科学講座 血液?腫瘍内科学准教授 
  • 副主任研究者:
    北脇年雄 医学研究科内科学講座 血液?腫瘍内科学特定助教
  • 研究责任者:
    宮地良樹 医学研究科皮膚生命科学講座 皮膚科学教授 

 

 

  • 京都新聞(7月20日 23面)、産経新聞(7月20日 22面)、日刊工業新聞(8月19日 13面)および読売新聞(7月31日 18面)に掲載されました。