2011年8月11日
意思决定、自己意识、创造性などを含む复雑な认知机能において重要な役割を担う前头前野は、チンパンジーとヒトにおいて、生后着しく未熟であることが明らかとなりました。しかしながら、ヒトとチンパンジーには、重要な违いもありました。ヒトの赤ちゃんでは前头前野の白质容积において剧的な増加を示すが、チンパンジーの赤ちゃんではそのような着しい増加を示さないことも示されました。
本研究はヒトと最も近縁な現生種であるチンパンジーの脳容積の発達を生後6ヶ月から生後6歳まで縦断的に分析した世界で最初の研究であり、その研究成果は日本時間8月11日にCell Pressの出版誌であるCurrent Biology誌の中で报告されました。
研究の内容
ヒト固有の认知机能の基础となる最も着しい进化的変化の一つは、前头前野皮质が大きく拡大したことである。そして、この前头前野は大脳の中で最もゆっくりとした発达を示す脳领域の一つでもある。これまで、そうした特徴はヒトだけだと思われてきた。
霊长类研究所の研究チームは、磁気共鸣画像法(惭搁滨)を用いて、3个体の子どもチンパンジーを対象に、乳児期に相当する6ヶ月から思春期前に相当する6歳までの脳の発达过程を縦断的に调査した。
本研究の结果から、チンパンジーにおいても前头前野の白质容积における発达期间の延长が示された。これらの结果から、前头前野の白质容积における発达期间の延长は、脳の可塑性の期间の延长をもたらし、私たちヒトと私たちと最も近縁な现生种であるチンパンジーが、経験によって形成される复雑な社会的相互作用、知识、そして技术を発达させる机会を与えている可能性が高いことが示唆された。
つまり、チンパンジーとヒトでは、神経连结や脳机能が、生后の経験による影响をより受けやすくする必要がある。たとえば、チンパンジーとヒトは、他の霊长类と异なり、赤ちゃんと亲のあいだには、微笑みや见つめ合いによる亲密な関係を楽しむことができる。
一方、ヒトにおける前头前野のさらなる拡大は、私たちヒトを特徴づける言语机能やより复雑な社会的相互作用の発达に寄与することも推测された。
本研究の発见から、より未熟でより长期化する前头前野の神経连结の発达は、チンパンジーとヒトの共通祖先の顷から存在することが示唆された。このチンパンジーとヒトにおける共通性は、私たちヒトからさらに进化的に离れた祖先であるマカクザルの脳発达の特徴と対照的だった。
本研究への支援
本研究は、日本学术振兴会(科学研究费补助金(特别推进研究)および特别研究奨励费)、グローバル颁翱贰プログラム”生物の多様性と进化研究のための拠点形成--ゲノムから生态系まで”の支援を受けました。
関连リンク
- 论文は以下に掲载されております。
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Tomoko Sakai, Akichika Mikami, Masaki Tomonaga, Mie Matsui, Juri Suzuki, Yuzuru Hamada, Masayuki Tanaka, Takako Miyabe-Nishiwaki, Haruyuki Makishima, Masato Nakatsukasa, Tetsuro Matsuzawa.
Differential Prefrontal White Matter Development in Chimpanzees and Humans.
Current Biology 11 August 2011.
- 京都新聞(8月11日 23面)、産経新聞(8月11日 24面)、日刊工業新聞(8月11日 15面)、日本経済新聞(8月11日夕刊 14面)、毎日新聞(8月11日 21面)および読売新聞(8月20日夕刊 10面)に掲載されました。