神経细胞の配置メカニズムを解明-抑制性神経前駆细胞に特有の移动の机构が明らかに

神経细胞の配置メカニズムを解明-抑制性神経前駆细胞に特有の移动の机构が明らかに

2012年1月16日

 我々の脳が形づくられるためには、神経细胞のもととなる神経前駆细胞が生まれた场所から特定の领域に移动し、正しく配置される必要があります。神経细胞には主に兴奋性神経细胞と抑制性神経细胞が存在し、これらのもととなる神経前駆细胞は异なる场所で作られます。兴奋性神経前駆细胞に比べ、抑制性神経前駆细胞はより长い距离を、より速い速度で移动する必要があるため、特有の细胞内メカニズムを备えていると考えられます。白血球など他の细胞と异なり、神経前駆细胞は移动方向に长い先导突起を伸ばし、细胞体は先导突起を追いかけるようにリズミカルな「跳跃运动」を示します(図)。我々の体内ではアクチン细胞骨格という细胞の骨组みとなるたんぱく质が组み立てられたり(重合)、バラバラにされたり(脱重合)することで细胞の形态形成や运动が调节されていますが、神経前駆细胞における跳跃运动がどの様なメカニズムで引き起こされているのかは明らかにされていません。

 今回、成宮周 医学研究科教授(神経?細胞薬理学)、古屋敷智之 同助教、篠原亮太 同大学院生(博士課程)らの研究グループは、細胞内でアクチン細胞骨格の重合に関わるたんぱく質「mDia」分子を欠損したマウス(mDia欠損マウス)を解析しました。彼等はこの変異マウスでは興奮性神経細胞は正常に配置されますが、抑制性神経前駆細胞の細胞体の跳躍運動が著しく減少しており、脳内で正しく配置されないことを発見しました。また、細胞体の跳躍運動において、mDiaは細胞の後部に一時的に集まり、局所的にアクチン細胞骨格を重合することにより、細胞体を後部から押し出すことが明らかとなりました(図)。 これまで神経前駆細胞の移動メカニズムの研究の多くは興奮性神経前駆細胞を対象にして行われてきましたが、今回発見されたメカニズムは抑制性神経細胞に特有であり、速い神経前駆細胞の移動を可能にするためのメカニズムであると考えられます。

  抑制性神経細胞の異常は、てんかん、自閉症、統合失調症など様々な精神疾患に関わることが示唆されています。また、mDiaにはヒトの相同遺伝子が存在し、その異常は自閉症の発症と関連があることから、今回の研究成果は、それらの疾患発症メカニズムの解明にも役立つと期待されます。

 本研究成果は、竹林浩秀 新潟大学教授、渡辺啓介同助教、澤本和延 名古屋市立大学教授、金子奈穂子 同助教、清成寛 理化学研究所CDB研究員との共同研究で得られ、2012年1月15日(米国東部時間)発行の「NatureNeuroscience」オンライン版に掲載されました。

【论文情报】
"A role for mDia, a Rho-regulated actin nucleator, in tangential migration of interneuron precursors"(抑制性神経前駆細胞の tangential migration におけるRho標的アクチン重合因子mDiaの役割)

  1. 図.抑制性神経前駆细胞の移动における尘顿颈补の役割
    A.正常な细胞(野生型)では、细胞体移动时に一时的なアクチン细胞骨格の重合(緑色)が细胞体后部で観察される(矢印)。一方、尘顿颈补欠损细胞では、细胞体后部のアクチン线维の集积と细胞体の移动が起こらない。矢头は中心体(赤色)の位置を示す。
    B.モデル図。尘顿颈补は细胞体后部に一时的に集まり、局所的にアクチン细胞骨格を重合することで细胞体を前方に押し出す。

本研究への支援

本研究成果は、以下の事业?研究领域?研究课题によって得られました。

  1. 科学研究費補助金 基盤研究(S)
    研究课题名:「个体での组织构筑?恒常性における搁丑辞-尘顿颈补経路の役割」
    研究代表者:成宮 周(京都大学 大学院医学研究科 教授)
    研究期间:2011年4月~2014年3月
  2. 戦略的创造研究推进事业(颁搁贰厂罢)
    研究领域:「炎症の慢性化机构の解明と制御に向けた基盘技术の创出」
    研究课题名:「プロスタグランジンを引き金とする炎症慢性化机构の解明」
    研究代表者:成宮 周(京都大学 大学院医学研究科 教授)
    研究期间:2011年4月~2016年3月

関连リンク

  • 论文は以下に掲载されております。

    (京都大学学术情报リポジトリ(碍鲍搁贰狈础滨))
  • 以下は论文の书誌情报です。
    Shinohara R, Thumkeo D, Kamijo H, Kaneko N, Sawamoto K, Watanabe K, Takebayashi H, Kiyonari H, Ishizaki T, Furuyashiki T, Narumiya S. A role for mDia, a Rho-regulated actin nucleator, in tangential migration of interneuron precursors. Nat Neurosci. 2012 Jan 15. doi: 10.1038/nn.3020. 

 

  • 京都新聞(1月17日 27面)および科学新聞(2月10日 2面)に掲載されました。