このたび、平成24年度(第6回)湯川記念財団?木村利栄理論物理学賞の受賞者として、細道和夫 基礎物理学研究所特定准教授(グローバルCOE)を決定しました。
おって、授賞式は、平成25年1月23日(水曜日)に基礎物理学研究所において行う予定です。
业绩の题目(和文および英文)
曲がった空间上の超対称ゲージ理论の厳密解
Exact Solutions of Supersymmetric Gauge Theories on Curved Space.
业绩の要旨
细道氏は、3次元超対称ゲージ理论の解析、とくに局所化原理を用いた厳密解の构成で顕着な业绩をあげており、11次元の究极理论とされる惭-理论の构成要素である惭2ブレーンや惭5ブレーンの理论の研究に大きく寄与している。
その主なものとしては、まずチャーン?サイモンズゲージ场と物质场の结合する高い超対称性を持った3次元の场の理论を群论的な分类に基づいて系统的に构成した业绩がある。それまで注意を払われていなかった部类の理论に先駆的に取り组んだもので、その后の惭2ブレーンの理论の発展を切り拓く一つの契机となった。
次に、歪んだ3次元球面上の超対称チャーン?サイモンズ理论に局所化の方法を适用し、歪みのパラメータを含む厳密な分配関数を与えた。このパラメータは惭5ブレーン上の理论が4次元ゲージ理论と2次元リュービル理论に分解する様子を表す础骋罢対応に现れるパラメータに类似しており、惭5ブレーン上の理论が3次元超対称ゲージ理论と3次元の双曲几何学とに分解する状况を记述する例を与えている。さらに、细道氏は曲がった时空上の超対称性を特徴づける方程式を拡张して超対称性理论をより一般の空间上に构成する枠组みを研究した。
细道氏は、以上のように超弦理论?惭理论の进展において优れた研究业绩をあげており、日本の超弦理论分野における指导的な役割を果たしている。今后も超弦理论?场の量子论の国内外での研究をリードして活跃することが期待され、木村利栄理论物理学赏にふさわしい研究者である。
受赏者略歴
2000年3月 | 东京大学理学系研究科博士课程修了 |
2000年4月 | 京都大学基礎物理学研究所 日本学術振興会特別研究員 |
2003年4月 | トロント大学 ポスドクフェロー |
2005年10月 | フランス原子力庁サクレー研究所 ポスドクフェロー |
2007年10月 | 韩国高等科学院(碍滨础厂)助教授 |
2009年1月 | 京都大学基礎物理学研究所 GCOE特定准教授(現在に至る) |
汤川记念财団?木村利栄理论物理学赏の概要
- 赏创设の経纬
旧広岛大学理论物理学研究所教授であった故木村利栄博士は、平成17(2005)年12月17日に旅先で急逝されましたが、遗产の一部が浩子夫人より财団法人汤川记念财団へ寄附されました。これを木村基金として、木村博士が大きな功绩を上げられた重力?时空理论、场の理论と、その周辺の基础的な理论研究において顕着な业绩を上げた研究者を顕彰するために平成19年度より「汤川记念财団?木村利栄理论物理学赏」を设けました。その候补者の选考や木村基金の运用は、旧広岛大学理论物理学研究所と统合した京都大学基础物理学研究所に委託されています。 - 対象
重力?时空理论、场の理论と、その周辺の基础的な理论研究において顕着な业绩を上げており、かつ、受赏以降も対象分野で中心的な役割を果たしていくことが期待される研究者。 - 候补者の推荐
他荐に限る。 - 选考
选考は、基礎物理学研究所運営委員会の下に組織された选考委員会が行い、年1件を運営委員会に推薦。それを受けて運営委員会が受賞者を決定。 - 正赏および副赏
赏状およびメダルを授与。副赏として赏金60万円。
木村利栄(きむら としえい)博士
- 略歴
大正15年8月10日生まれ。昭和23年3月京都帝国大学卒业。同年4月広岛大学理论物理学研究所助手に着任。その后、助教授?教授を経て平成2年3月定年退职。その间、昭和54年4月から昭和58年3月まで広岛大学理论物理学研究所长。平成2年4月広岛大学名誉教授。平成2年4月から平成6年3月まで広岛県立大学教授。平成15年に素粒子メダル受赏。平成17年春には瑞宝中授章を受章。
- 主な业绩
木村博士は、重力理论の分野で常に先駆的研究をされてきた。中でも、1969年の重力场中での量子异常の発见は大きな功绩である。重力の量子异常は、その后、超弦理论の量子论において最も重要な性质の一つになっており、その意味でも木村博士の先駆性は明らかである。また、木村博士は1973年顷から点粒子间の多体重力ポテンシャルの研究を始められ、一般相対论による2次の补正项を初めて求められた。この业绩は、现在国际的に研究が进められている重力波天文学において中心的役割を果たしている相対论的2体问题の先駆けとなった。