皆さま、新年あけましておめでとうございます。
今年も新年の抱负を一笔したためました。
「小さき命を游ばせる」
今年は子年であります。ねずみは非常に小さな存在ですが、繁殖力が高くてどこにでも姿を现し、この世でインパクトが强い存在とも言えます。そういった「小さき命を游ばせ」ながら、大きなインパクトを世界に与えていこうというのが今年のテーマです。
さて、京都大学は「自由の学风」そして「自由な対话」を尊重するなかで、创造の精神を育んできました。今は自由を謳歌するだけでなく、社会に対して説明责任を负う时代であり、様々な伦理上の责任が大学にはあります。しかし、规制を厳しくして监视するのではなく、互いに励まし合い、情报を交换し合って间违いを犯さないように予防することが大切です。
昨年の吉野彰先生、一昨年の本庶佑先生のノーベル赏受赏をはじめ、京都大学は今、世界に冠たる存在として注目を浴びる存在になりつつあります。私たち自身が世界を先导するという自负を持って、襟を正していかなければなりません。そして、世界の情势を见つめ、他の多くの机関と连携し、大学の将来を见据えながら、歩んでいかなければなりません。
あと2年と少しで京都大学は125周年を迎えます。昨年、それに向けて「京大力、新辉点。」という新たな标语を考えました。この「辉点」には「起点」および「机転」という2つの意味も込められています。ねずみのように点は小さいけれど、磨けば辉き、集まれば大きな力を発挥します。
知の拠点として、そして様々な创造性を育むキャンパスとして、日本の先端、そして世界の先端を歩まなければならないということを肝に铭じて、これからも京都大学を盛り立てていきたいと思います。
本年も、京都大学をどうぞよろしくお愿いいたします。
2020年1月7日 京都大学総長 山極 壽一