コケを食べる新种アブの発见-植物食の起源の谜を解く手がかりに-

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今田弓女 人間?環境学研究科博士課程学生(日本学術振興会特別研究員)と加藤真 同教授は中生代の化石として知られ、生きた化石ともいえる Litoleptis 属(双翅目シギアブ科)の新种6种を日本各地から発见し、分类学的位置と生活史を世界で初めて明らかにしました。

本成果は、2016年3月30日午前9時8分(2016年3月30日1時8分 グリニッジ標準時)、ニュージーランドの学術専門誌 「Zootaxa」に掲載されました。

研究者からのコメント

陆上植物で最も古いコケ植物が植物を食べる昆虫とどのように関わりながら进化してきたのかは谜に包まれています。白亜纪という古い地层から化石が知られているシトネアブ属におけるコケ食の発见は、その问いに迫る上で重要な知见であると思います。
今回のシトネアブ類は、日本国内のあちこちでコケを採集?飼育 して、顕微鏡下でコケを食べている虫を探すという特殊な採集方法と地道な観察によって発見されました。今後もこうした野外調査と丁寧な観察を続けていくことで、コケを食べる昆虫の多様性を明らかにし、またそれらの昆虫の系統で植物食がどのように進化していったのかを解き明かしていきたいです。

概要

シギアブ科はきわめて原始的なアブの系统で、他の昆虫を捕食する肉食性の生态が一般に知られています。しかし、この科は分类学的に混乱が多く大部分の种の生活史が谜に包まれています。
本研究グループは、世界的に稀少なシギアブ科の Litoleptis 属が日本列岛に広く分布していることを初めて明らかにし、六つの新种を発见?记载しました。また、それらの种の幼虫はコケ植物の组织内部を食べて成长するという特异な生态をもつことも明らかにしました。これらの新种のアブは、幼虫の栖む苔を褥になぞらえて「シトネアブ」と命名されました

新たに発見されたジャゴケシトネアブ(学名:Litoleptis japonica)。本種の幼虫はジャゴケというタイ類に潜葉する。

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】


YUME IMADA & MAKOTO KATO "Bryophyte-feeding of Litoleptis (Diptera: Rhagionidae) with descriptions of new species from Japan" Zootaxa, Vol. 4097 No. 1 pp. 041–058, Published: 30 Mar 2016