無動力/人為操作不要のフラップゲート式陸閘の実用化 -津波、高潮、浸水対策-

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間瀬肇 防災研究所教授らの研究チームは、日立造船株式会社などと共同で、設備自身の浮力により自動的に閉まるフラップゲート式陸閘(防潮ゲート)を実用化しました。フラップゲート式陸閘の他、建築物の壁面開口部に設置するタイプやコンクリート防潮堤の上に設置する長径間タイプ、空調ダクト設置型も実用化しています。

フラップゲート式陆闸については、2013年5月に実机第1号の完成报告を行いましたが、その后の普及活动により2016年10月15日现在の採用実绩は75基となり、今后さらに普及が进むものと予想されます。

研究者からのコメント

间瀬教授

今回开発した技术を用いると陆闸の操作そのものを无くすことができるため、消防団员がゲート操作の危険に曝されることがなくなります。また、ゲート闭锁に人が関与せず、动力や闭锁信号なども不要なことから、人為ミスによる闭锁失败リスクを回避でき、停电や通信インフラ被灾时にもその影响も受けません。そのため、これまで陆闸操作に费やしていた时间を避难や避难支援にあてることができ、かつ陆闸を开放状态にしておけるため、陆闸が车による避难の邪魔になる可能性を避けることができます。さらに、これらをシンプルな机构で実现した结果、维持管理负担も軽减されました。

このフラップゲート技術を、津波だけでなく、高潮や高波による浸水、内水氾濫、ゲリラ豪雨による地下浸水対策に生かしたいと思って います。また、日本国内のみでなく、水災害に脆弱な海外の国々にも展開していきたいと考えています。

概要

防潮堤の开口部に设置される従来の陆闸には、津波来袭时に迅速な闭锁が求められるため、自动化?远隔操作化が推进されてきましたが、突発的な故障や维持管理の负担が大きいことが课题でした。一方、ゲート部分(扉体)に作用する浮力を利用する方式は、车両通行に対する强度确保と軽さの両立や、不安定な扉体の挙动が解决できず、これまで陆闸への适用が困难でした。

そこで本研究グループは电力などのユーティリティーに頼らず、自然に逆らわず、その场にあるエネルギーを活用するというコンセプトのもと、扉体内部充填材やウエイトを活用した极めてシンプルな机构により、従来方式の课题解决に成功しました。本技术を応用した超长径间タイプや建屋壁面设置型、空调ダクト用などについても普及を促进することで、今后の防灾?减灾社会の构筑に大きく寄与することが期待されます。

図:フラップゲート式陆闸の応用

详しい研究内容について