なぜ光合成効率が高い叶は短命?-植物の多様性のルールを纽解く-

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小野田雄介 農学研究科助教を中心とする国際研究チームは、世界各地で調査された数百種類の植物に関する研究結果を集約?精査し、光合成効率と寿命が両立しないメカニズムを世界で初めて明らかにしました。

本研究成果は、2017年3月11日に英国の学術誌「New Phytologist」に掲載されました。

研究者からのコメント

小野田助教

自然には多种多様な植物が存在し、その形や生态も多様です。しかし、根本的な生理机能に着目すると、多様性にはルールがあることが分かります。多様性に介在するルールを知ることにより、自然をより统一的に捉えられると考えています。

概要

私たちの身の回りには、道脇の雑草から、冬に叶を落とす落叶树、通年叶をもつ常緑树など、多种多様な植物がいます。一般的に、长生きの叶ほど厚く、光合成を行う组织もたくさんもっていますが、光合成速度は高くありません。つまり「长生きの叶ほど光合成の効率が低い」といえます。これは世界共通のルールですが、その原因は谜のままでした。

そこで本研究チームは、长い寿命に必要な丈夫な构造がどのように光合成に影响するかに着目し、世界各地で调査された多种多様な植物に関する研究结果を集约?精査しました。

その结果、长寿命の叶は、细胞壁が多いためにより多くの养分が细胞壁に分配され、光合成を行うのに必要な光合成タンパク质への分配割合が低下すること、そして细胞壁が厚いことにより、叶緑体への二酸化炭素供给の効率が低下し、光合成効率が低下することが分かりました。効率的な光合成システムと叶の寿命が両立できないことには理由がありました。

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Yusuke Onoda, Ian J. Wright, John R. Evans, Kouki Hikosaka, Kaoru Kitajima, ?lo Niinemets, Hendrik Poorter, Tiina Tosens and Mark Westoby. (2017). Physiological and structural tradeoffs underlying the leaf economics spectrum. New Phytologist.