低炭素社会の実现を目指し新たなフィルターを开発

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イーサン?シバニア 高等研究院物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)教授、ベナム?ガリ 同特定助教、脇本和輝 エネルギー科学研究科修士課程学生らの研究グループは、MOFというナノサイズの粒子を、PIM-1という高分子材料に適切な条件で添加することで、ガスの分離精度を大幅に向上した混合マトリクス膜を開発することに成功しました。CO 2 回収?贮留方法における高効率化?低コスト化の実现に向けた技术となることが期待されます。

本研究成果は、2017年6月6日午前0時に英国の科学誌「Nature Energy」で公開されました。

研究者からのコメント

左から、シバニア教授、ガリ特定助教、脇本修士课程学生

「二酸化炭素をいかに経済的に効率の良い方法で分離?回収するか」という大き な課題は、たった一本の論文では解決することはできず、技術開発を継続的に行 う必要があります。その中で、乗り越えるべき課題等もさらに見つかると思いま す。大変なチャレンジですが、とても重要な問題で、今すぐにでも着手していか なければならないと感じています。

概要

世界は今、深刻な二酸化炭素の问题を抱えています。世界最大の火力発电所は、1日にギザの大ピラミッド12杯分もの二酸化炭素を排出します。そして、500惭奥级の巨大な火力発电所が世界で5000基以上もあり、その数は今も増えています。分离?贮蔵されるべき温室効果ガスの量は计り知れません。

既存の高分子膜を用いたガス分离技术は、この莫大な量の排出ガスを処理するには不向きでした。それは、ガスの処理速度が遅すぎるか、高処理速度のものはガスを分离する精度が低いために、エネルギー効率のよい二酸化炭素分离を行えなかったからです。大规模な二酸化炭素分离プロジェクトに応用するには、费用対効果の点で问题がありました。

本研究グループが开発した混合マトリクス膜(惭惭惭蝉)と呼ばれる高分子薄膜を用いた「フィルター」は、ガスの処理量や分离精度だけでなくコスト面においても、颁颁厂技术に革命を起こす可能性を秘めています。

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Behnam Ghalei, Kento Sakurai, Yosuke Kinoshita, Kazuki Wakimoto, Ali Pournaghshband Isfahani, Qilei Song, Kazuki Doitomi, Shuhei Furukawa, Hajime Hirao, Hiromu Kusuda, Susumu Kitagawa and Easan Sivaniah (2017). Enhanced selectivity in mixed matrix membranes for CO2 capture through efficient dispersion of amine-functionalized MOF nanoparticles. Nature Energy, 2, 17086.

  • 狈贬碍京都(6月7日)で放送されました。