チンパンジーがじゃんけんを学习:循环関係を理解する能力を备える

ターゲット
公开日

松沢哲郎 高等研究院副院長?特別教授、高潔 霊長類研究所修士課程学生、友永雅己 同教授、蘇彦捷 北京大学教授らの研究グループは、チンパンジーがじゃんけんを学習することを発見しました。チンパンジーにも、ヒトでよく見られる循環的な問題を解決する能力が、実は「備わっている」ことがわかる非常に興味深い発見です。

本研究成果は、2017年8月10日正午に厂辫谤颈苍驳别谤社の学术誌「笔谤颈尘补迟别蝉」オンライン版で公开されました。

研究者からのコメント

左から、松沢副院长、高修士课程学生

チンパンジーも、4歳以上の子どもも、じゃんけんを学习できます。これは循环関係の理解にかかわる兴味深い発见です。ヒトでよく见られる非直线的问题を解决する能力が、実はチンパンジーに「备わっている」のです。少なくともこの认知的能力という点でチンパンジーは4歳の子どもと同じくらい柔软だということが分かりました。

概要

じゃんけんは、「纸」は「石」に胜ち、「石」は「はさみ」に胜ち、「はさみ」は「纸」に胜つ、いわば、3者が循环する関係です。もし「はさみ」が「纸」に胜つのではなく4つ目の例えば「布」に胜つとすればこの関係は直线的な関係ですが、循环関係は非直线的です。

今回研究グループはチンパンジーにじゃんけんの规则を教え、ルールを学习できるか调査したところ、7个体中5个体が完全に习得しました。ヒトの子どもにも同様の调査を行い、ヒトは约4歳で、じゃんけんのルールを习得できることがわかりました。

つまり、チンパンジーは、ヒトの4歳の子どもと同じくらい柔软に循环関係を理解できる、认知能力があるということです。

人间同士のコミュニティーの中には、非直线的で、时に循环したりする优劣関係が存在しますが、チンパンジーの社会は、比较的厳格な直线的优劣関係を持ちます。そんなチンパンジーにも、ヒトでよく见られる非直线的な问题を解决する能力が备わっていることがわかりました。

図:(左)グーとパーのうち、パーを选ぶチンパンジー、(右)グーとパーのうち、パーを选ぶ子ども

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Jie Gao, Yanjie Su, Masaki Tomonaga, Tetsuro Matsuzawa (2017). Learning the rules of the rock-paper-scissors game: chimpanzees versus children. Primates, 59(1), 7-17.

  • 朝日新聞(8月11日 28面)、京都新聞(8月11日 26面)、産経新聞(8月11日 22面)、中日新聞(8月11日 1?29面)、日刊工業新聞(8月11日 17面)、日本経済新聞(8月11日 34面)、毎日新聞(8月11日 27面)、読売新聞(8月10日夕刊 10面)に掲載およびNHK(8月10日)、毎日放送(8月10日)、読売テレビ(8月10日?11日)、KBS京都(8月10日)、関西テレビ(8月10日)、フジテレビ(8月10日?11日)、TBS(8月11日)、テレビ朝日(8月11日)で放送されました。