细胞集団が移动方向を调节して组织を形作る、新しい仕组みを発见

ターゲット
公开日

新田昌輝 生命科学研究科研究員、上村匡 同教授、杉村薫 高等研究院物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)特定拠点准教授らの研究グループは、細胞が器官を形作る際に動いていくメカニズムの一端を明らかにしました。ショウジョウバエを対象に検証した結果、ダクサスという膜貫通タンパク質を多く含む細胞に向かい他の細胞が移動していくことが分かりました。体がどのように作られていくのか、その根本的なメカニズムの理解に貢献する成果です。

本研究成果は、2017年9月12日午前1時に米国の学術誌「Developmental Cell」に掲載されました。

研究者からのコメント

左から、上村教授、新田研究员

本研究によって移动する细胞集団自身の中でのダクサスの细胞间量差が、一方向への移动に重要な役割を果たすメカニズムが明らかになりました。このメカニズムは、原理的には集団外からの情报がなくとも、方向性を持った集団の移动を駆动できることを示唆しています。今后、体の构造を作り出す原理や、その异常が引き起こす病気の原因がより详しく明らかになることが期待されます。

概要

一个の卵から生物の体ができあがる発生过程では、细胞が适切な箇所へ移动し机能的な器官を形作ります。例えば、心臓の弁が形成される过程では、细胞の集団が方向性をもって移动することが知られています。非典型的カドヘリン(细胞膜上に存在し、细胞同士の接着や细胞间の情报伝达を担う分子)ダクサスはこのような细胞集団の移动を制御すると考えられており、机能が损なわれると心臓の弁の形态が异常になり、僧帽弁逸脱症の原因となることが报告されています。しかしながら、ダクサスが细胞集団の移动を制御するメカニズムは完全には解明されておらず、また、子宫内で発生が进むヒトやマウスでそのメカニズムを详细に研究することは技术的に困难でした。

本研究グループは、ショウジョウバエの皮肤の细胞が示す集団移动をモデルとして、ダクサスによる细胞の集団移动の仕组みを研究しました。生きた个体内での皮肤细胞の移动やダクサスタンパク质のふるまいを観察し、得られた画像データの定量的な解析を行いました。

その结果、ダクサスによって移动する细胞集団の中では、移动方向に沿って、さなぎの后侧の细胞ほど细胞膜上のダクサスの量が多いことが分かりました。さらに、移动する细胞集団の中で、各々の细胞は隣接する细胞が持つダクサスの量を感知し、ダクサスをより多く持つ细胞に向かって移动することが分かりました。従って、皮肤の细胞は、移动する细胞集団内に存在するダクサスの细胞间量差を読み取ることによって、集団の移动方向を决めていることを明らかにしました。

図:ダクサスが细胞集団の后侧への移动を制御するメカニズム

皮肤を背侧から见下ろした模式図。ダクサスによって移动する集団の后方に位置する细胞ほど细胞膜上のダクサス量は多い。细胞はこのダクサスの细胞间量差を読み取り、细胞の后侧にのみ仮足を形成し、一方向的な移动が起こる。

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】


【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

Masaki Arata, Kaoru Sugimura and Tadashi Uemura (2017). Difference in Dachsous Levels between Migrating Cells Coordinates the Direction of Collective Cell Migration. Developmental Cell, 42(5), 479-497.

  • 京都新聞(9月15日 25面)に掲載されました。