杉山直幸 薬学研究科准教授、樋山麻美 日本学術振興会特別研究員(九州大学)、島崎研一郎 九州大学教授(現?名誉教授)、武宮淳史 山口大学准教授、多田安臣 名古屋大学教授、宗正晋太郎 岡山大学助教、村田芳行 同教授らの研究グループは、青色光と二酸化炭素(CO 2 )に応答した気孔开闭运动を制御する分子机构の一端を明らかにしました。
本研究成果は、2017年11月3日午後7時にオンライン国際科学誌 「Nature Communications」 に発表されました。
研究者からのコメント
タンパク质のリン酸化は、细胞内の情报伝达に非常に重要な役割を果たしています。本研究では、青色光刺激により植物の细胞内で起こるタンパク质リン酸化の変化を大规模に调べました。
今回発见した新奇タンパク质リン酸化酵素颁叠颁は、青色光と低浓度颁翱 2 による気孔开口の増大を引き起こします。本研究成果は、変动する大気中の二酸化炭素浓度が农作物の生育に与える影响の理解に贡献します。また二酸化炭素の吸収効率を高めた农作物の开発技术への応用が期待されます。
概要
高等植物の叶の表皮には、一対の「孔辺细胞」と呼ばれる高度に分化した细胞からなる「気孔」という小孔が存在します。植物は気孔を开くことで、光合成に必要な二酸化炭素を吸収し、同时に蒸散により水を放出することで、土壌の栄养分を根から吸収するための駆动力を得ています。
光に応答して気孔が开くことは、进化论で有名なチャールズ?ダーウィンの息子であるフランシス?ダーウィンにより発见されました。その后の研究で、光のなかでも特に400~500苍尘付近の青色光が気孔开口に重要で、植物の光合成を増大することがわかりました。青色光とは反対に高浓度颁翱 2 は気孔闭锁を、低浓度颁翱 2 は开口を诱导することがわかっています。気孔开度は植物の生育に大きな影响を与えますので、大気中の颁翱 2 浓度の変动が农作物に与える影响を理解し、その対策を考えるためにも、青色光と颁翱 2 による気孔开闭运动の情报统合机构の解明が求められていました。
本研究グループは、青色光と颁翱 2 による気孔開閉運動の制御シグナルに関わる新奇タンパク質リン酸化酵素を同定し、CBC(CONVERGENCE OF BLUE LIGHT and CO 2 )と命名しました。
図:タンパク质リン酸化による细胞内の情报伝达
书誌情报
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Asami Hiyama, Atsushi Takemiya, Shintaro Munemasa, Eiji Okuma, Naoyuki Sugiyama, Yasuomi Tada, Yoshiyuki Murata & Ken-ichiro Shimazaki (2017). Blue light and CO2 signals converge to regulate light-induced stomatal opening. Nature Communications, 8, 1284.