申惠媛 薬学研究科准教授らの研究グループは、細胞膜の2層のリン脂質膜の間におけるリン脂質の量を変化させることによって、細胞膜の形態を変えられることを明らかにしました。
本研究成果は、2018年3月29日に欧州分子生物学機構の国際学術誌「The EMBO Journal」オンライン版に掲載されました。
研究者からのコメント
本研究成果は、细胞膜を构成するリン脂质が细胞膜の形态変化に直接関与していることを実証した初めての成果です。细胞膜の脂质二重层间のリン脂质の动态を调节することで、细胞の移动、栄养の取り込み、ウイルスや细菌などの侵入を制御できる可能性が示されたと言えます。
概要
细胞膜は2层のリン脂质膜で构成され、细胞の机能を维持するために常に流动的に动いています。特に、正常细胞およびがん细胞が移动する时、细胞外の栄养を取り込む时、ウイルスや细菌などが细胞内に侵入する时に、细胞膜は大きく形を変化させます。このような细胞膜の形态変化には、様々なタンパク质や细胞骨格タンパク质の调节が必须であることがよく知られていますが、细胞膜を构成するリン脂质が膜の形态変化に直接関与するかどうかは分かっていませんでした。
本研究グループは、细胞膜の外侧に多いリン脂质であるホスファチジルコリンの内侧への移动を促进することで、内侧のリン脂质の量が外侧より多くなると、细胞膜の形态が内侧へ変化することを明らかにしました。さらに、础罢笔10础タンパク质を细胞に発现させると细胞膜が管状に変形し、细胞膜タンパク质の细胞内への取り込みを促进することも分かりました。
図:细胞膜の2层のリン脂质膜の间におけるリン脂质の量を変化させることによって、细胞膜の形态を変えられることを明らかにしました。
详しい研究内容について
书誌情报
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Naoto Takada, Tomoki Naito, Takanari Inoue, Kazuhisa Nakayama, Hiroyuki Takatsu, Hye-Won Shin (2018). Phospholipid-flipping activity of P4-ATPase drives membrane curvature. The EMBO Journal, 37(9):e97705.