京大発の新たな人工皮肤が製造承认 -细胞成长因子を吸着?徐放?细胞治疗に匹敌する皮肤再生が可能に-

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鈴木茂彦 名誉教授、坂本道治 医学部附属病院特定講師、森本尚樹 医学部非常勤講師(関西医科大学准教授)らの研究グループは、従来の人工皮膚を改良し、難治性潰瘍治療薬として広く用いられている塩基性線維芽細胞増殖因子を吸着して、1週間以上かけてゆっくりと放出(徐放)する機能性人工皮膚を考案し、動物実験で有効性を確認しました。

その后、医学部附属病院临床研究総合センター(颈础颁罢)の支援を受けて、2010年からこの机能性人工皮肤の医师主导治験を実施し、このたび、新规医疗机器として製造承认されました。

研究者からのコメント

左から、铃木名誉教授、坂本特定讲师、森本非常勤讲师

再生医疗等安全确保法(2014年11月施行)により再生医疗が定义され、再生医疗の开発方法?顺序がようやく整备されてきました。人工皮肤に皮肤の细胞(皮肤线维芽细胞)を组み込み、培养することで皮肤を再生させる研究を1990年代后半から行ってきました。当时は细胞を使用した治疗の指针も整备されておらず、2006年に?ヒト干细胞を用いる临床研究に関する指针?が告示されたものの、临床研究に使う细胞の製造条件などすべてが手探りでした。こうした中で2008年に患者さん自身の细胞を用いた临床研究?自家培养真皮を用いた糖尿病性溃疡に対する创床形成疗法の安全性と临床効果の検讨?を京大病院で実施しました。结果としてはまずまずの成果が得られましたが、高额なコスト、製造管理などの问题を克服し、标準治疗とすることは全く不可能と思われました。
こうした状况の中、细胞治疗と同程度の効果があると予想される、细胞成长因子を人工皮肤に组み込み、徐々に放出させる技术は実现可能で、细胞治疗よりも汎用性、コスト面で絶対的に有利であると考え开発を行いました。最初に行ったマウスの実験で、いままで见たことがないような拟似真皮の构筑が确认され、この技术は必ず成功すると确信し、いままで开発を継続してきました。大学は大学自身のシーズを最终製品にまで开発すべきという大きな流れと製造公司の协力といった、さまざまな幸运が重なり、ようやく製品化に至りました。このような细胞成长因子を徐放する人工皮肤は世界にはまだありません。今后、この人工皮肤の有用性を多くの医疗関係者に认知していただき、重症热伤、糖尿病性溃疡などに苦しむ患者さんの福音となるように努力したいと考えています。

概要

本学では、铃木名誉教授らによって开発された、コラーゲンスポンジをシリコーンフィルムで覆った二层构造をもつ人工皮肤(いわゆる二层性人工真皮)を用いた皮肤再生治疗を行ってきました。皮肤が欠损した创面に人工皮肤を贴付すると、皮肤再生に必要な细胞や毛细血管がコラーゲンスポンジ内に入り込み、患者自身の拟似真皮が新生され、スポンジ自体は吸収されてなくなります。しかし、この人工皮肤治疗の问题点として、感染に弱く、血行が不良な创面ではうまく皮肤が再生されないことがありました。このため、近年増加している糖尿病性溃疡や褥疮などの难治性皮肤溃疡には人工皮肤は効果が十分ではありませんでした。また、患者の细胞を培养して人工皮肤に含ませる细胞治疗では、皮肤再生は促进されますが、治疗费が非常に高く、一般的な治疗方法として実施するには高いハードルがあります。

そこで、本研究グループは従来の人工皮肤を改良し、难治性溃疡治疗薬として広く用いられている塩基性线维芽细胞増殖因子を吸着して、1週间以上かけてゆっくりと放出(徐放)する机能性人工皮肤を考案し动物実験で有効性を确认しました。その后、医师主导治験を実施し、新规医疗机器として製造承认されました。また、机能性人工皮肤の治疗効果は、细胞を加えた人工皮肤と同等であることを确认しています。

详しい研究内容について

书誌情报

  • 京都新闻(4月17日25面)、产経新闻(4月17日28面)、日刊工业新闻(4月17日23面)、日本経済新闻(4月17日12面)および毎日新闻(4月17日22面)に掲载されました。