齊藤晋 医学研究科講師、津下到 医学部附属病院特定病院助教、戸井雅和 医学研究科教授らの研究グループは、光超音波トモグラフィによる皮膚の精細な3 D 血管地図の作成に成功しました。本研究は、内阁府の革新的研究开発推进プログラム( ImPACT )における、八木隆行プログラムマネージャーの研究开発プログラムの一环です。
本研究成果は、 2018 年 4 月 27 日に米形成外科学会の学术誌「 Plastic and Reconstructive Surgery 」に掲载されました。
研究者からのコメント
左から、齐藤讲师、津下助教
形成外科では、がんなどで失われた组织を再建する治疗を行っています。再建には游离皮弁という技术が用いられます。特に颜や手などの再建では整容と机能の両面が求められるため、薄くしなやかな皮弁が必要となります。しかしながら、皮弁を薄くする作业では重要な皮下血管を损伤する危険性がありました。本研究では、これまで见ることができなかった皮下の细かい血管の3次元地図を作成することに成功しました。この血管地図を用いることにより、安全で正确な再建治疗が可能となります。
概要
がんの切除后に组织の欠损が生じた场合、体の别の部位から血管を付けた状态で皮肤や皮下脂肪を採取し、欠损部の近くにある血管と吻合させることによって组织を移植する手术が行われます。これを游离皮弁移植术といいます。太ももの皮肤はしなやかで、また採取による后遗症もほとんど无いため、近年ではよく移植ドナーとして用いられています。颜や手などの形を精巧に再现しようとすればより薄い皮弁が必要となりますが、薄くすればするほど血管が损伤されるリスクが高くなるため、経験の豊富な医师でも危険性の高い手术でした。
本研究では「光超音波トモグラフィ技术」を用いて太ももの撮影を行い、超音波や惭搁滨では描出できない细かい血管のネットワークを描き出すことができました。さらに、深さごとに色分けを行うことによって、3次元の情报を含んだ血管地図を作ることに成功しました。光超音波トモグラフィは、血管に光エネルギーを与えることにより発生した超音波を探知して、血管を映像化する新しい撮影技术で、撮影に造影剤を用いないために极めて安全に検査をすることができます。本研究は、光超音波トモグラフィが移植治疗における术前评価法として有用であることを示し、より优れたがん治疗法の创出にもつながる画期的なものです。

详しい研究内容について
书誌情报
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【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】
Itaru Tsuge, Susumu Saito, Hiroyuki Sekiguchi, Aya Yoshikawa, Yoshiaki Matsumoto, Masakazu Toi, Shigehiko Suzuki (2018). Photoacoustic Tomography Shows the Branching Pattern of Anterolateral Thigh Perforators In Vivo. Plastic and Reconstructive Surgery, 141(5), 1288-1292.