体内リズムの24时间周期を决めるタンパク质を発见-家族性睡眠相前进症候群(贵础厂笔厂)の分子机构の解明-

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Jean-Michel Fustin 薬学研究科特定講師、岡村均 名誉教授(薬学研究科特任教授)と、理化学研究所、千葉大学、大阪大学、デュークNUS医学大学院(シンガポール)らの研究グループは、一つの遺伝子Ck1dから生み出される、正反対の機能を持つ新旧2つの酵素Ck1d1とCk1d2が、時計タンパク質PERを安定させることを明らかにしました。

本研究成果は、2018年5月22日に、国際学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に掲載されました。

研究者からのコメント

左から、冈村特任教授、贵耻蝉迟颈苍特定讲师

タンパク质颁办1诲2の発见はまったく予想外でした。重要な発见は、思わぬところから现れるものです。ひとつの遗伝子から颁办1诲1と颁办1诲2という正反対の机能を持ったタンパク质が生み出され、絶妙なバランスで私たちの体内时计のリズム(概日リズム)を制御しているメカニズムには本当に惊かされます。今回の研究成果が、贵础厂笔厂のような概日リズムの乱れによる病気を治疗するきっかけになることを期待しています。

概要

本研究グループは、一つの遺伝子Ck1dからまるでジキルとハイドのように生み出される、正反対の機能を持つ新旧2つの酵素Ck1d1とCk1d2が、時計タンパク質PERを安定させることを明らかにしました。体内時計の24時間という周期は、この2つの酵素のバランスによって決まっていたのです。今回の発見は、遺伝性の家族性睡眠相前進症候群(Familial Advanced Sleep Phase Syndrome:FASPS)の病態を世界で初めて解明したもので、睡眠リズムの研究に突破口を開いたものと期待されます。

図:概日リズム(サーカディアンリズム:体内リズム)の周期は颁办1诲1过剰で短缩、颁办1诲2过剰で延长する。

详しい研究内容について

书誌情报

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Jean-Michel Fustin, Rika Kojima, Kakeru Itoh, Hsin-Yi Chang, Ye Shiqi, Bowen Zhuang, Asami Oji, Shingo Gibo, Rajesh Narasimamurthy, David Virshup, Gen Kurosawa, Masao Doi, Ichiro Manabe, Yasushi Ishihama, Masahito Ikawa, Hitoshi Okamura (2018). Two Ck1δ transcripts regulated by m6A methylation code for two antagonistic kinases in the control of the circadian clock. Proceedings of the National Academy of Sciences, 115(23), 5980-5985.

  • 京都新聞(5月22日 25面)、日刊工業新聞(5月22日 23面)、毎日新聞(5月22日 26面)および読売新聞(5月22日 31面)に掲載されました。