アクチン繊维のわずかな偏りが脳神経细胞の形を决めることを発见しました

ターゲット
公开日

見学美根子 高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)教授、川端 Galbraith ケリー 同研究員、渡邊直樹 生命科学研究科教授、三品昌美 東京大学教授(現?立命館大学教授)らの研究グループは、タンパク質「MTSS1」が、アクチン繊維構造のバランスをとる機能をもつことを発見し、神経細胞の微細形態のわずかなズレが突起全体の空間分布を変える機構を証明しました。

本研究成果は、2018年7月4日に米国の科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。

研究者からのコメント

左から、見学 教授、川端 研究員

アクチンは细胞内で最も豊富な分子で、変幻自在に形を変えてさまざまな机能を果たします。脳においては记忆?学习にともなうシナプス结合の変化に必须であり、そのバランスの破绽はアルツハイマー病などの変性疾患に直结しますが、详细な制御や动态はまだ不明です。今回用いたマルチスケールのライブ観察を駆使して、残された问题に取り组みたいと考えています。

概要

脳神経回路は、神経细胞の长く复雑に分岐した突起同士が连结して机能しています。そのため神経细胞の分岐パターンの异常は精神遅延や脳机能障害に直结します。

本研究グループは、惭罢厂厂1というアクチンに结合する分子を欠损した遗伝子改変マウスにおいて、神経细胞の突起の数が减ってしまうことを见出しました。惭罢厂厂1はがん细胞の転移を制御する分子として既に知られていますが、本研究で脳の神経细胞の突起形成に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。

本研究成果は、神経回路形成の分子机构の理解を深め、神経変性疾患や脳损伤の治疗法の开発につながるものです。また惭罢厂厂1の作用机序が明らかになったことで、がんの病态理解と治疗法开発への道も期待されます。

図:惭罢厂厂1遗伝子が欠损したニューロンでは、顿础础惭1が活性化し、アクチンがフィラメント状にのびる

详しい研究内容について

书誌情报

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【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

Kelly Kawabata Galbraith, Kazuto Fujishima, Hiroaki Mizuno, Sung-Jin Lee, Takeshi Uemura, Kenji Sakimura, Masayoshi Mishina, Naoki Watanabe, Mineko Kengaku (2018). MTSS1 Regulation of Actin-Nucleating Formin DAAM1 in Dendritic Filopodia Determines Final Dendritic Configuration of Purkinje Cells. Cell Reports, 24(1), 95-106.e9.