渡辺順也 理学研究科教務補佐員、松岡廣繁 同助教、長谷川善和 群馬県立自然史博物館名誉館長は、青森県の約12万年前の地層からメガネウの化石を新たに発見しました。
本研究成果は、2018年7月11日に米国の国際学術誌「The Auk: Ornithological Advances」のオンライン版に掲載されました。
研究者からのコメント
过去に存在した生物の痕跡である化石からは、絶灭した生物の存在を知ることができるだけでなく、现在まで生き残っている生物の歴史を考える上でも、重要な情报が得られることがあります。
今回発见された化石は、约12万年前のものと地质学的にはごく最近の时代のものですが、つい最近まで生きていた种の絶灭の実态に迫ることのできる面白い知见が得られたと考えています。この种は人类に発见された时点でかつての分布域の大半を失っており、ベーリング岛に生き残っていた个体群に人类がとどめをさした、ということになります。
また、今回の研究を进める上では、100年以上前の文献や标本から得られる情报が不可欠でした。今后もこのようなモノから得られる情报を大事にして研究を行っていきたいと考えています。
概要
本研究グループは、青森県尻屋(しりや)地域から产出した后期更新世(约12万年前)の鸟类化石群の中に、19世纪に人类の狩猟によって絶灭させられた、海鸟の一种「メガネウ」の化石を新たに発见しました。
本研究では、米国スミソニアン协会の国立自然史博物馆に所蔵されるメガネウの骨标本など、多数のウ类の标本と详细に比较することで、今回発见した化石がメガネウのものであると同定しました。
本研究成果により、ベーリング岛に固有と考えられていたこの海鸟がかつては青森県を含む広い范囲に生息し、12万年前以降に生息域が缩小あるいは移动したことが示されました。古生物学の视座から生物种の歴史を探り、未来に向けて生物相を保全するための基础情报を提供するモデルケースとしても重要な成果です。
図:本研究の概要。(左)メガネウの生態復元(Joseph Wolfによる剥製からの想像)。Elliot (1869) The New and Heretofore Unfigured Species of the Birds of North America, Volume 2より。
详しい研究内容について
书誌情报
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Junya Watanabe, Hiroshige Matsuoka, Yoshikazu Hasegawa (2018). Pleistocene fossils from Japan show that the recently extinct Spectacled Cormorant (Phalacrocorax perspicillatus) was a relict. The Auk : Ornithological Advances, 135(4), 895-907.
- 毎日新聞(7月15日 25面)に掲載されました。