野生のニホンザルがどのような肠内细菌を持っているかを明らかにしました

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早川卓志 霊長類研究所特定助教、半谷吾郎 同准教授、澤田晶子 日本学術振興会特別研究員(中部大学)、阿形清和 学習院大学教授らの研究グループは、ニホンザルの糞便のDNAを分析し、野生のニホンザルがどのような肠内细菌を持っているかを明らかにしました。

本研究成果は、2018年6月25日に国际学术誌「笔谤颈尘补迟别蝉」のオンライン版に掲载されました。

研究者からのコメント

ニホンザルは私たち日本人にとって最も身近な野生の霊长类です。次世代シークエンサーという新しい技术をもちいて、野生のニホンザルがどんな肠内细菌丛を持っているかを知ることができました。日本の多様な自然に暮らし、ときに人里に现れるようなニホンザルたちが、どのような肠内细菌を持って生活しているのか、详しく调べる今后の研究につなげていきます。

今回の研究は、10年にわたり続く京都大学の「屋久岛フィールド実习」の成果です。国内の大学院生?研究者だけでなく、海外の留学生たちとともに、屋久岛の森の中を歩き、サルを追い、サンプルを大学のラボに持ち帰って一绪に解析したことが、学术论文の形で実を结びました。フィールドワークとラボワークの双方が融合した学际的な研究の歴史を刻む一歩となればと考えています。

概要

本研究グループは、野生のニホンザルの粪便の顿狈础を分析し、その肠内细菌を明らかにしました。また、実験施设(ラボ)から远く离れた森林でのフィールドワークにおいて、どのように野生动物の粪便を集め、肠内细菌の顿狈础を保存し、ラボまで持ち运んで分析するかという手法を确立しました。

本手法は、本学の大学院生や留学生を対象に実施している「屋久岛フィールド?ゲノム科学実习」で実践され、今后、フィールドワークとラボワークが融合した研究の现场で使われることが期待されます。

また、本研究成果により、日本特有の四季によって変化する森の食べ物にどのようにニホンザルの肠内细菌が适応しているのかなど、今后、より详细なニホンザルの肠内细菌の研究の発展が期待されます。

写真:ヤマモモの果実を食べる5月の屋久岛のニホンザル。野生のニホンザルがどのような肠内细菌をもちいて、森の食べ物を消化しているのかを、本研究では明らかにした。(写真提供:早川卓志)

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Takashi Hayakawa, Akiko Sawada, Akifumi S. Tanabe, Shinji Fukuda, Takushi Kishida, Yosuke Kurihara, Kei Matsushima, Jie Liu, Etienne-Francois Akomo-Okoue, Waleska Gravena, Makoto Kashima, Mariko Suzuki, Kohmei Kadowaki, Takafumi Suzumura, Eiji Inoue, Hideki Sugiura, Goro Hanya, Kiyokazu Agata (2018). Improving the standards for gut microbiome analysis of fecal samples: insights from the field biology of Japanese macaques on Yakushima Island. Primates, 59(5), 423-436.

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