人间型ロボットによる対话の人间らしい存在感と対话感を向上させました

ターゲット
公开日

河原達也 情報学研究科教授、石黒浩 大阪大学教授らは、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業のERATO石黒共生ヒューマンロボットインタラクションプロジェクトにおいて、マルチモーダル対話制御システムとマルチロボット対話制御システムを開発し、人間らしい存在感や対話感を対話相手に与えるロボットを実現しました。また、車輪移動機構を持つ子供型アンドロイドも開発しました。

本研究成果は、2018年8月1日の「第二回 ERATO石黒共生HRIプロジェクトシンポジウム」において発表されます。

研究者からのコメント

スマートフォンアシスタントやスマートスピーカにより音声対话システムが身近なものになりましたが、本研究では人间と同様の存在感を醸し出しながら、非言语情报(相槌?頷き?视线など)を含む人间レベルの対话感を目指しています。今回は倾聴と面接の状况を设定して、このようなシステムを実装しました。倾聴では、多様な相槌?焦点语の闻き返し?评価応答を组み合わせることにより、话を「闻いてもらっている」「理解してもらっている」「共感してもらっている」感覚を与えて、円滑な発话を促进します。「话を闻く」というのは简単なようにみえますが、コミュニケーションの基盘となるものと捉えています。

本研究成果のポイント

  • カメラやマイクを駆使したマルチモーダル対话制御システムを开発し、アンドロイド「贰搁滨颁础」の日常的な状况における自然な存在感の向上
  • 复数のロボットを用いたマルチロボット対话制御システムを开発し、社会的対话ロボット「颁辞尘尘鲍」による「対话しているという感覚(対话感)」の向上
  • 车轮移动机构で自由に移动できる子供型アンドロイド「颈产耻办颈」を开発

概要

近年、対话ロボットの研究开発が盛んになりつつあります。しかし、従来のロボットとの対话では、人间との対话で得られる対话感や存在感、社会性を感じることができません。本研究グループは、カメラやマイクロフォンアレイを用いたマルチモーダル认识システムや、意図や欲求に基づく対话制御システムにより、アンドロイド「贰搁滨颁础(エリカ)」の日常的な状况における人间らしい存在感を向上させました。さらに、自然で多様な相づち生成や焦点语に基づく闻き返し技术により人间らしい対话感を実现し、アンドロイドが倾聴や面接を行える可能性を示しました。

また、対话感を演出する社会的対话ロボット「颁辞尘尘鲍(コミュー)」の研究では、ロボット同士の掛け合いや役割交代をさせるなど、复数のロボットの発话や非言语的表现の表出タイミングを制御するマルチロボット対话制御システムを开発しました。ロボット同士の対话を人间に见せることで、ロボットが人间の発言や意図を认识できない场合でも、対话相手である人间に强い対话感を与えることを実现しました。さらに、车轮で移动できる子供型アンドロイド「颈产耻办颈(イブキ)」は、移动を伴う人间との亲和性を追求し、対话ロボットが活跃する场面を拡大するための研究基盘です。

本研究グループは、これらの研究开発を通して、日常的な场面で人间とコミュニケーションできる自律対话型アンドロイドの実现を目指すとともに、対话ロボットの社会への普及を推进します。

写真:贰搁滨颁础(右侧)との対话シーン

详しい研究内容について

书誌情报

  • 朝日新聞(8月1日 27面)に掲載されました。