赤ちゃんは、善悪の振る舞いをもとに、公平性を判断することが见出されました

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板倉昭二 文学研究科教授らの研究グループは、イタリア、スウェーデンの研究グループと共同で、赤ちゃんは、良いことをする者は公平に分配することを予期しており、観察する個体の善悪の振る舞いに基づいて、公平に分配するか否かを判断することを明らかにしました。

本研究成果は、2018年9月7日に、スイスの国際学術雑誌「Frontiers in Psychology」のオンライン版に掲載されました。

研究者からのコメント

私たちの研究室では、赤ちゃんや幼児の公平性や援助行动に対する理解、またそうした行动の出现に関する研究を行っています。このような行动は向社会行动と呼ばれ、他者に利益をもたらすような行动と定义されています。ヒトの社会的生活において、极めて重要な向社会行动が発达初期に见られることを証明し、その始まりはいつなのかを明らかにするために、今后も研究を続けていきたいと考えています。

概要

赤ちゃんは、公平感に対して高い感受性を持つことが示されています。例えば、物を2人に分配するときに、公平に分配されることを期待していることがこれまでの研究でわかっています。

本研究グループは、14ヵ月児を対象に、こうした公平感の知覚が、事前の善悪の振る舞いによって影响を受けるか否かを検讨しました。例えば、黄色い叁角形がオレンジ色の円を助けてあげる、青い四角形がオレンジ色の円の邪魔をする场面を见せた后、それぞれの図形が、イチゴを他の図形に分配する场面を见せました。

赤ちゃんは、自分が予期しない场面を见た场合には、その事象を见る时间が长くなることが知られていますが、実験の结果、良いことをした図形が不公平に分配すると、赤ちゃんはそれを长く见ました。一方、悪いことをした図形がどのように分配しても见る时间には差は见られませんでした。つまり、赤ちゃんは、良いことをする者は、公平に分配することを予期していると思われます。本研究成果によって、赤ちゃんは、当该个体の善悪の振る舞いに基づいて、公平に分配するか否かを判断することが明らかになりました。

図:本研究のイメージ

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

Luca Surian, Mika Ueno, Shoji Itakura and Marek Meristo (2018). Do Infants Attribute Moral Traits? Fourteen-Month-Olds' Expectations of Fairness Are Affected by Agents' Antisocial Actions. Frontiers in Psychology, 9:1649.