高強度テラヘルツパルスによる相変化材料の新たな結晶成長機構の発見 -ナノスケールの新規メモリデバイス開発に期待-

ターゲット
公开日

廣理英基 化学研究所准教授(兼?物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)連携准教授)、金光義彦 同教授、佐成晏之 同博士課程学生、田中耕一郎 理学研究科教授(兼?iCeMS連携主任研究者)らは、筑波大学、東海大学、産業技術総合研究所と共同で、高強度テラヘルツパルスを相変化材料GeSbTe化合物に照射すると、アモルファス状態からナノスケールで一次元的に結晶成長するメカニズムを発見しました。

本研究成果は、2018年10月19日に、米国物理学会の学術誌「Physical Review Letters」に掲載されました。

研究者からのコメント

私たちの?强度テラヘルツ分光技术を使うことによって、产业的にも重要な电?材料における相変化现象において、热的また电気的な働きを区别して理解することに成功しました。これにより、メモリのスイッチング动作において瞬间的に生じる高电场効果を明らかにし、またナノスケールという极めて小さな构造変化の诱起が可能なことを示すことに成功しました。本研究成果は、相変化メモリの小型化や高効率化にも重要な知见と考えられます。今后、さまざまな新规电子材料における高电场现象解明にも本プラットフォームを利用し、新机能の発现と物质制御の研究へと発展させます。

概要

相変化材料骋别厂产罢别化合物(骋厂罢:骋别(ゲルマニウム)、厂产(アンチモン)、罢别(テルル)の3元素からなる化合物)は、现在使用されている记録型顿痴顿や次世代の不挥発性固体メモリとして期待されている相変化メモリの记録材料です。

本研究グループは、世界最高强度のテラヘルツパルスの発生技术を駆使することで、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い高电场パルスを骋厂罢に加え、アモルファス状态(原子が不规则に并ぶ非结晶状态)から电场方向へ选択的にナノスケールの结晶を成长させることに成功し、さらに、このような现象が生じるメカニズムを解明しました。

本研究成果は、メモリのスイッチング动作(结晶状态とアモルファス状态を电気的に切り替えること)において瞬间的に生じる高电场効果を明らかにし、またナノスケールという极めて小さな构造変化の诱起が可能なことを示したものであり、今后相変化メモリの小型化や高効率化につながることが期待されます。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

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Yasuyuki Sanari, Takehiro Tachizaki, Yuta Saito, Kotaro Makino, Paul Fons, Alexander V. Kolobov, Junji Tominaga, Koichiro Tanaka, Yoshihiko Kanemitsu, Muneaki Hase, and Hideki Hirori (2018). Zener Tunneling Breakdown in Phase-Change Materials Revealed by Intense Terahertz Pulses. Physical Review Letters, 121(16):165702.