多様な植物を食べるジェネラリストも絶滅危惧種になりうることを解明 -環境省絶滅危惧IA類のアカハネバッタを例として-

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山本哲史 理学研究科助教と内田圭 横浜国立大学科学研究費研究員は、環境省絶滅危惧種、長野県特別指定希少野生動植物、種の保存法に指定されているアカハネバッタ(学名 Celes akitanus )の生态を明らかにするため、本种の粪を収集し、粪に含まれる植物の顿狈础から本种の食性解明を试みました。

その结果、アカハネバッタは潜在的に様々な植物を饵とできるにもかかわらず、実际には食べるものを选り好みしていることを明らかにしました。また、本种の生息する草原と、生息しない周囲の草原で植物群集を比较した结果、本种の生息しない草原でも饵として食べられる植物は生えているものの、その种类は少ないことがわかりました。

これらの结果から、アカハネバッタはさまざまな植物を食べられるにもかかわらず、饵植物の种类が少ない草原では个体群を维持できないことが示唆されました。アカハネバッタは特に植物の多様性が高い草原のみにしか生息していないことが、これまで大きな谜でした。本研究成果は、その谜を解明する手がかりとなり、草原の植物の多様性を保全することが、多様な生物の保全に繋がることを示唆しました。今后の生态系管理のための基础情报を提供する研究成果です。

本研究成果は、2018年10月30日に、国際学術誌「Biological Conservation」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Satoshi Yamamoto, Kei Uchida (2018). A generalist herbivore requires a wide array of plant species to maintain its populations. Biological Conservation, 228, 167-174.