高温超伝導を用いた粒子加速器用電磁石の機能実証に成功 -粒子線がん治療の普及拡大へ道筋-

ターゲット
公开日

雨宮尚之 工学研究科教授、東芝エネルギーシステムズ株式会社、高エネルギー加速器研究機構、量子科学技術研究開発機構らの研究グループは、粒子加速器に用いる高温超伝導電磁石の研究開発を進めてきました。

本研究グループは、资源の枯渇が心配される液体ヘリウムを使わずに冷却できる加速器応用に向けた高温超伝导电磁石を开発し、その机能を调べる実証実験を重粒子线がん治疗装置(贬滨惭础颁)にて行いました。その结果、铜线を使った电磁石では発生できない2.4テスラという高い磁界によるがん治疗用炭素イオンビームの诱导を実証し、粒子加速器の运転上の支障を想定した高温超伝导コイルへの粒子ビームの直接入射を行っても超伝导状态が破れず电磁石が安定して动作し続けることを実証しました。さらに、発生する磁界を繰り返し速く変化させても电磁石を安定して运転できることを确认しました。

本研究成果により、今后、高温超伝导电磁石の高磁界化や磁界を変化させたときに超伝导体の内部で発生する交流损失の低减などの研究开発への取り组み、粒子线がん治疗装置の超小型化、省エネ化の実现が期待されます。また、粒子线がん治疗装置の一般病院への设置が可能になれば、健康长寿社会への贡献も期待されます。

本研究成果は、2018年12月13日に、「第31回国际超电导シンポジウム」にて発表されました。

図:高温超伝导电磁石の外観

详しい研究内容について

书誌情报

  • 日刊工業新聞(12月14日 30面)および電気新聞(12月14日 4面)に掲載されました。

関连リンク

  • 高温超伝导电磁石による炭素イオンビーム诱导の実証