記憶の持続メカニズムを解明 -あらたな分子記憶の原理を提唱-

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实吉岳郎 医学研究科 准教授、林康紀 同教授らの研究グループは、あらたな分子記憶の原理を発見しました。

私たちは、一瞬にしか过ぎない出来事を、长期间に亘って记忆することが出来ます。そのため、脳には一瞬の情报を长期的な情报として蓄えるメカニズムがあると考えられてきました。しかし、その分子の実态は、よく分かっていませんでした。

本研究グループは、ある2つの分子が结合した时にだけ、2つの分子活性が长期に保たれることを発见しました。普通は一方の分子がもう1つの分子を一方向性に活性化します。ところが、本研究グループが见つけた分子复合体では、逆方向の活性化も引き起こしました。つまり一度分子が结合すると、2つの分子がお互いを活性化し合うことで、その活性を长期に亘り継続することが分かりました。

このメカニズムによって、2つの神経细胞同士のシナプス伝达が强くなり、それが长く継続しました。これは长期増强现象(尝罢笔)と呼ばれ、学习?记忆の细胞でのモデルとして広く受け入れられていますが、一过的な刺激を长期にわたるシナプス机能の増强へと変换する仕组みは分かっていませんでした。本研究グループの発见した原理は、シナプス机能の増强を维持する记忆のメカニズムであると考えられます。

本研究成果は、2019年5月9日に、国际学术誌「狈别耻谤辞苍」のオンライン版に掲载されました。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Takeo Saneyoshi, Hitomi Matsuno, Akio Suzuki, Hideji Murakoshi, Nathan G. Hedrick, Emily Agnello, Rory O’Connell, Margaret M. Stratton, Ryohei Yasuda, Yasunori Hayashi (2019). Reciprocal Activation within a Kinase-Effector Complex Underlying Persistence of Structural LTP. Neuron, 102(6), 1199-1210.e6.