河野夏铃 生命科学研究科 博士課程学生(兼?理化学研究所リサーチ?アソシエイト)、松崎文雄 同教授(兼?同チームリーダー)らの研究グループは、細胞極性の形成に働くタンパク質複合体によって細胞に非対称性が生じる際の基本的なプロセスを解明しました。
「细胞极性」は、细胞に方向性を与える细胞の基本的な性质で、器官や组织を正常に形成するために欠かせない要素です。细胞に极性を作り出すシステムの中でも、笔补谤タンパク质の复合体(笔补谤复合体)による极性形成は、线虫からヒトまで保存され、さまざまな组织で机能する最も一般的なシステムです。しかし、笔补谤复合体の振る舞いや特徴などはモデル生物や组织ごとに异なるため、その普遍的なプロセスは不明でした。
今回、本研究グループは、笔补谤タンパク质の発现量を操作することで、通常は极性を持たないショウジョウバエ胚由来の培养细胞上に、人為的に非対称的なタンパク质の分布を作り出すことに成功しました。この细胞极性の再构成により、细胞が非対称性を生み出す典型的なプロセスを高解像度で観察可能となり、笔补谤复合体が3段阶の动的な凝集状态を経ることが分かりました。これらの凝集体は、ショウジョウバエの个体内の细胞でも存在することが确认されたことから、笔补谤复合体が働く细胞极性の形成に一般的な过程と考えられます。また、凝集状态の最终段阶である岛状の凝集体を超解像顕微镜で観察した结果、この凝集体はセグメント状の构造単位が网目状に集まった构造を持つことが分かりました。
本研究成果は、细胞极性が関わる器官形成?再生や、细胞极性の乱れによって生じるがん化メカニズムの详细な理解に贡献すると期待できます。
本研究成果は、2019年6月7日に、国际学术誌「别尝颈蹿别」のオンライン版に掲载されました。

図: Par 复合体(緑)の凝集により培养细胞で非対称性が生まれるまでの概要図
详しい研究内容について
书誌情报
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Kalyn Kono, Shigeki Yoshiura, Ikumi Fujita, Yasushi Okada, Atsunori Shitamukai, Tatsuo Shibata, Fumio Matsuzaki (2019). Reconstruction of Par-dependent polarity in apolar cells reveals a dynamic process of cortical polarization. eLife, 8:e45559.