動物の発生において形と機能を調和させる仕組みを発見 -形の変化が細胞分化を方向づける-

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近藤武史 生命科学研究科特定助教、林茂生 理化学研究所チームリーダーの研究グループは、動物の発生過程において、組織の形が細胞分化の方向性を制御する新たな仕組みの存在を明らかにしました。

动物の体は様々な器官により构成されています。また、それぞれの器官は特有の形を持っており、固有の机能を発挥するように分化した细胞で构成されています。各器官が适切に机能を発挥するためにはこの形と细胞分化がうまく一致している必要がありますが、それがどのようにして达成されているのかについてはあまりわかっていませんでした。

これまでの考え方は、形の変化は细胞分化により制御されるというものでした。しかし今回、本研究グループが、形づくりが异常となるショウジョウバエ胚を详细に解析したところ、器官を形づくる过程ではその逆向きの、形の変化による细胞分化の制御も働いていることを明らかにしました。すなわち、细胞は组织形状に応じて自身の分化を调节するというフィードバックによって、形と机能の调和を达成していると考えられます。

本研究成果は、组织の形という物理的な情报が细胞分化の制御に関与することを示しており、このような形づくりの仕组みを明らかにしていくことは、复雑な组织?器官の人工作製技术のさらなる改善にも役立つ知见となることが期待されます。

本研究成果は、2019年8月23日に、国际学术誌「别尝颈蹿别」のオンライン版に掲载されました。

図:陥入运动によりシート状の上皮组织から管状の上皮组织が形成される过程と、组织形状と细胞分化を调和させるための仕组みのモデル

详しい研究内容について

书誌情报

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Takefumi Kondo, Shigeo Hayashi (2019). Two-step regulation of trachealess ensures tight coupling of cell fate with morphogenesis in the Drosophila trachea. eLife, 8:e45145.