前立腺がんの若年発症を予測するゲノム診断手法を開発 -前立腺がんのゲノムワイド関連解析からゲノム医療へ-

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赤松秀輔 医学研究科助教、中川英刀 理化学研究所チームリーダー、髙田亮 岩手医科大学講師、松田浩一 東京大学教授らの研究グループは、網羅的ゲノム解析により、日本人の前立腺がんと関連がある一塩基多型(SNP)を新たに12個発見しました。さらに、これらを含むこれまで発見された82個のSNPを組み合わせ、日本人の前立腺がんの若年発症を予測するゲノム診断手法を開発しました。

今回、合计で约9,900人の日本人前立腺がん罹患者と约8万4,000人の男性対照群のゲノムワイド厂狈笔関连解析を行いました。その结果、新たに12个の厂狈笔が日本人の前立腺がんと强く関连することを発见し、これらの厂狈笔があると発症リスクが厂狈笔の数1个につき1.12~1.31倍高まることが分かりました。

そして、この12个の厂狈笔を含む日本人の前立腺がん発症と関连が証明された82个の厂狈笔情报を组み合わせて、前立腺がん発症リスクを予测するゲノムリスクスコア(多遗伝子リスクスコア:笔搁厂)を开発しました。その上位5%の高リスク群では、若年発症(60歳未満)および前立腺がんの家族歴のある症例が有意に多く含まれていました。これにより、特に早期治疗介入が必要な若年発症の前立腺がんリスクの予测?诊断ができるようになると考えられます。

本研究成果は、ゲノム情报による个人のがん発症のリスク诊断とそれに関わるゲノム医疗に贡献すると期待できます。

本研究成果は、2019年9月27日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

図: 前立腺がん症例群(赤)と対照群(青)の PRS の分布

详しい研究内容について

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Ryo Takata, Atsushi Takahashi, Masashi Fujita, Yukihide Momozawa, Edward J. Saunders, Hiroki Yamada, Kazuhiro Maejima, Kaoru Nakano, Yuichiro Nishida, Asahi Hishida, Keitaro Matsuo, Kenji Wakai, Taiki Yamaji, Norie Sawada, Motoki Iwasaki, Shoichiro Tsugane, Makoto Sasaki, Atsushi Shimizu, Kozo Tanno, Naoko Minegishi, Kichiya Suzuki, Koichi Matsuda, Michiaki Kubo, Johji Inazawa, Shin Egawa, Christopher A. Haiman, Osamu Ogawa, Wataru Obara, Yoichiro Kamatani, Shusuke Akamatsu & Hidewaki Nakagawa (2019). 12 new susceptibility loci for prostate cancer identified by genome-wide association study in Japanese population. Nature Communications, 10:4468.