プロペラ様の構造をもつ多孔性材料を開発 -二酸化炭素を捉えて有機分子へ-

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北川进 高等研究院物质–细胞统合システム拠点(颈颁别惭厂=アイセムス) 拠点長、大竹研一 同特定助教、細野暢彦 東京大学講師(兼?iCeMS客員講師)らの研究グループは、中国江蘇師範大学と共同で、選択的に二酸化炭素を捉えて有用な有機分子に変換できる新しい多孔性材料の開発に成功しました。

本研究で开発された多孔性材料は、有机分子と金属イオンからなるジャングルジム状のネットワーク构造でできており、内部にナノサイズの小さな穴(细孔)を无数に持っています。この细孔は二酸化炭素に高い亲和性を持っており选択的に二酸化炭素を细孔中に取り込むことができます。さらに、细孔に触媒能を持つ金属イオン部位が规则的に配置されており、取り込んだ二酸化炭素分子を原料として细孔内で高効率な触媒反応を起こすことが期待されます。

本多孔性材料は、二酸化炭素を取り込むだけでなく、二酸化炭素の反応性を高め有用な有机分子に変换させることができる材料です。また、この反応は付加反応であるため副生成物を生じず、有机溶媒も用いないことから环境に优しい反応です。本研究成果は、地球温暖化の主因ともされる二酸化炭素を安価に资源として活用する技术への応用が期待されます。

本研究成果は、2019年9月25日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

図:今回開発された多孔性材料(多孔性配位高分子:PCP)は、プロペラのような形の分子構造を持っており、二酸化炭素を吸着して有用な有機分子に効率的に変換することができる(イラスト:高宮泉水 iCeMS特定助教)

详しい研究内容について

书誌情报

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Pengyan Wu, Yang Li, Jia-Jia Zheng, Nobuhiko Hosono, Ken-ichi Otake, Jian Wang, Yanhong Liu, Lingling Xia, Min Jiang, Shigeyoshi Sakaki & Susumu Kitagawa (2019). Carbon dioxide capture and efficient fixation in a dynamic porous coordination polymer. Nature Communications, 10:4362.

  • 産経新聞(1月24日 26面)、日刊工業新聞(10月9日 29面)および毎日新聞(11月28日 14面)に掲載されました。