モータータンパク質は種類により協働性が異なることを発見 -分子を自在に並べる技術により生体分子モーターの協働性を計測-

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横川隆司 工学研究科 教授、金子泰洸ポール 同教務補佐員らの研究グループは、大岩和弘 情报通信研究机构(狈滨颁罢) 主管研究員、古田健也 同主任研究員と共同で、モータータンパク質(以下、モーター)であるキネシン分子を自在に配置する手法を開発しました。

モーターは微小管の上をチームとして协働して移动することで、细胞内の物质输送や细胞分裂を行うなど、生体内で重要な役割を果たしています。これまでは、チームを构成するモーターの数と间隔を制御できる実験手法がないために、これらの要素がモーターの协働性にどのように影响するのかは分かっていませんでした。

そこで本研究グループは、ナノ加工技术で作製した金製の柱(ナノピラー)にモーター(キネシン)を1分子ずつ选択的に固定することで、キネシン分子を任意の间隔で并べることができる手法(1分子パターニング法)を开発しました。この手法により、1つの荷物(微小管)を运ぶキネシン分子の数と间隔を正确に决めることができるようになり、それらがモーター同士の协働性を决める重要な要素であることを明らかにしました。さらに、キネシン-1とキネシン-14といったモーターの种类によって协働性が异なり、キネシン-14は数と间隔によって集団での输送速度を调节する能力をもつことが分かりました。

今回开発した1分子パターニング法は、様々な种类のモーターの协働性の研究に使用することができます。モーターの协働性の理解が进むことで、细胞内の物质输送や细胞分裂などの様々な生命现象の仕组みについて新たな知见を得ることが期待できます。

本研究成果は、2020年1月23日に、国際学術誌「Science Advances」のオンライン版に掲載されました。

図:1分子パターニング法により并べられたキネシン分子と、その上で运ばれる微小管の模式図

详しい研究内容について

书誌情报

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Taikopaul Kaneko, Ken’ya Furuta, Kazuhiro Oiwa, Hirofumi Shintaku, Hidetoshi Kotera and Ryuji Yokokawa (2020). Different motilities of microtubules driven by kinesin-1 and kinesin-14 motors patterned on nanopillars. Science Advances, 6(4):eaax7413.