今堀博 工学研究科教授( 高等研究院物质–细胞统合システム拠点(颈颁别惭厂=アイセムス) 连携主任研究者 )、 梅山有和 同准教授らの研究グループは、薄膜化した際に励起状態が長寿命化する電子受容性材料を開発することに成功しました。また、その材料を用いた有機薄膜太陽電池は、10%程度の高いエネルギー変換効率を実現しました。
有机薄膜太阳电池の発电层では、太阳光エネルギーを用いてプラスとマイナスの电荷を発生させています。多くの电荷を発生するためには、电子受容性材料が効率よく太阳光エネルギーを吸収し、それによりできる励起状态が长い寿命を有することが望ましいと言われています。太阳光エネルギーを効率よく吸収するためには、电子受容性材料のバンドギャップが小さい必要があり、一般的にバンドギャップが小さい材料は、励起状态の寿命が短くなってしまいます(エネルギーギャップ则)。
本研究では、电子受容性材料に、ベンゼン环やピリジン环が二次元平面状につながった构造を组み込み、分子间相互作用を制御することで、バンドギャップが小さくとも、励起状态が长く続く材料を作り出すことに世界で初めて成功しました。その电子受容性材料(罢础颁滨颁)を用いた有机薄膜太阳电池は、10%程度の高いエネルギー変换効率を示しました。
今回开発した电子受容材料のように励起状态が长寿命化すれば、原理上ナノレベルの混合をする必要がなくなるため、有机薄膜太阳电池の実用化に向けた大きな一歩となることが期待されます。
本研究成果は、2020年3月6日に、国際学術誌「Chemical Science」に掲載されました。
図:今回開発された電子受容性材料(TACIC)は、これまでの材料に比べ、約50倍も励起状態を長く保つことができる(イラスト:高宮泉水 iCeMS特定助教)
详しい研究内容について
书誌情报
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Tomokazu Umeyama, Kensho Igarashi, Daiki Sasada, Yasunari Tamai, Keiichi Ishida, Tomoyuki Koganezawa, Shunsuke Ohtani, Kazuo Tanaka, Hideo Ohkita and Hiroshi Imahori (2020). Efficient light-harvesting, energy migration, and charge transfer by nanographene-based nonfullerene small-molecule acceptors exhibiting unusually long excited-state lifetime in the film state. Chemical Science, 11(12), 3250-3257.
- 日刊工業新聞(3月6日 29面)に掲載されました。