上田敬太 医学研究科 講師、村井俊哉 同教授、麻生俊彦 理化学研究所副チームリーダー、 杉原玄一 东京医科歯科大学 准教授 らの研究グループは、磁気共鸣画像法(惭搁滨法)の新しい手法を用いて、ヒト脳の「静脉排出」パターンが加齢とともに変化することを発见し、加齢や脳损伤に伴う静脉排出不全が「脳室の拡大」を引き起こすメカニズムを初めて提示しました。
今回、本研究グループは、脳血管障害を検出するための惭搁滨法(ラグマッピング法)を、脳の表面や深部における静脉の血液の流れの検出に応用しました。约300名の被験者を対象に、従来法では観察が困难だった脳の静脉排出を详细に解析した结果、そのパターンが、加齢や脳损伤の影响を受けて変化することを突き止めました。この変化は脳室の拡大に先行して现れたことから、静脉排出异常が脳室拡大の原因であることが示唆されました。
本研究成果は、脳の静脉排出パターンを加齢バイオマーカーとすることで、脳萎缩の指标となる脳室拡大の原因究明や老化予防の新しいアプローチへの展开、さらには高齢者に特有の脳室が异常に拡大する疾患「特発性正常圧水头症」の解明への手がかりとなると期待できます。
本研究成果は、2020年5月6日に、国际学术誌「叠谤补颈苍」のオンライン版に掲载されました。
図:本研究で见いだされた静脉排出の加齢変化を示すグラフ(左)と脳静脉构造(右)
详しい研究内容について
书誌情报
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Toshihiko Aso, Genichi Sugihara, Toshiya Murai, Shiho Ubukata, Shin-ichi Urayama, Tsukasa Ueno, Gaku Fujimoto, Dinh Ha Duy Thuy, Hidenao Fukuyama, Keita Ueda (2020). A venous mechanism of ventriculomegaly shared between traumatic brain injury and normal ageing. Brain, 143(6), 1843-1856.