授乳によるオキシトシンホルモンは母親の表情の感じ方と関連することを解明 -オキシトシンの変動には大きな個人差がある-

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明和政子 教育学研究科教授、松永倫子 同博士後期課程学生、菊水健史 麻布大学教授らの研究グループは、初産で生後2?9ヶ月児を育児中の母親を対象に、「母乳授乳する」あるいは「乳児を抱く」行為の前後で 「オキシトシンホルモン(以下、オキシトシン)」 を计测し、他者の表情の感じ方に変化が生じるか、そこにはどの程度の个人差が认められるかを调べた结果、母乳授乳の継続期间によらず、オキシトシンの変动には大きな个人差が认めらることを明らかにしました。

他方、授乳后にオキシトシンを高めた母亲ほど、快表情(うれしい)を知覚する正确性が高まり、不快表情(怒り)を知覚する正确性が低くなることを明らかにしました。

母乳授乳は、养育者のストレスを軽减したり、乳児に対する快の感情を高めるといわれています。オキシトシンは本来、母乳を放出させる役割をもっていますが、最近、対人関係を円滑に进めたり、记忆?学习能力を高める働きにも注目が集まっています。本研究は、オキシトシン値の个人差を考虑して、対人心理?行动特性に影响する可能性を初めて示しました。

本研究成果は、2020年6月3日に、国際学術誌「Biology Letters」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

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Michiko Matsunaga, Takefumi Kikusui, Kazutaka Mogi, Miho Nagasawa, Rumi Ooyama and Masako Myowa (2020). Breastfeeding dynamically changes endogenous oxytocin levels and emotion recognition in mothers. Biology Letters, 16(6):20200139.

  • 読売新聞(6月21日 20面)に掲載されました。