抗体に応答してバイオ医薬を自律的に放出する機能性ゲルを開発 -体内埋め込み型の新たな医療用ソフトデバイスとして期待-

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浜地格 工学研究科 教授、窪田亮 同助教、重光孟 同博士研究員(現?大阪大学助教)、中村圭佑 同博士課程学生、浦山健治 京都工芸繊维大学 教授らの研究グループは、抗体に応答してタンパク质などのバイオ医薬を自律的に放出することが可能な复合ゲル材料の开発に成功しました。

生体内には、抗体のように、酵素ではないタンパク质が多く存在します。ある种の非酵素タンパク质はガン等の疾病环境で过剰発现していることから、これらのたんぱく质に応答して自律的に薬剤を放出する材料は、薬物放出担体として期待されています。ところが、タンパク质は酵素と异なり反応性を持たないため、タンパク质に応答する材料设计の指针は确立されていませんでした。本研究グループは、「タンパク质の存在により活性が回復する酵素スイッチシステム」と「酵素により分解する超分子ファイバー」を组み合わせ、これらを高分子ゲルに内包させた复合ゲル材料を开発しました。开発した复合ゲルは、抗体の添加により酵素スイッチがオンになり、超分子ファイバーの分解が进み、内部に包接させたバイオ医薬を放出することを明らかにしました。

本研究成果は、疾病环境においてタンパクや酵素のようなバイオ医薬品を自律的に放出できる、体内埋め込み型インテリジェント复合ゲル材料に展开できると期待されます。

本研究成果は、2020年7月31日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

図:本研究の概要図

详しい研究内容について

书誌情报

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Hajime Shigemitsu, Ryou Kubota, Keisuke Nakamura, Tomonobu Matsuzaki,Saori Minami, Takuma Aoyama, Kenji Urayama & Itaru Hamachi (2020).Protein-responsive protein release of supramolecular/polymer hydrogel composite integrating enzyme activation systems. Nature Communications, 11:3859.