ゲート型吸着剤を活用した二酸化炭素の高効率分離システムを提案 -二酸化炭素の分離回収技術の開発に貢献-

ターゲット
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平出翔太郎 工学研究科助教、坂中勇太 同博士課程学生、宮原稔 同教授、上代洋 日本製鉄株式会社主幹研究員、河口彰吾 高輝度光科学研究センター主幹研究員、田中秀樹 信州大学教授らの研究グループは、従来の吸着剤とは異なる新材料(ゲート型吸着剤)を活用した二酸化炭素の高効率分離システムを提案しました。

二酸化炭素(颁翱 2 )は地球温暖化をもたらす温室効果ガスであり、パリ协定(2015年)では、大気中への颁翱 2 排出量を削減することによって、平均気温の上昇を2 ℃以下とする目標が定められています。この目標を達成するためには、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの利用に加え、CO 2 排出源において颁翱 2 を高効率?低コストで分离回収することが必要不可欠となります。

そこで、本研究グループは、自身が吸热的に构造変形することで颁翱 2 を取り込む际の热発生を抑えることが可能なゲート型吸着剤に着目し、その优れた颁翱 2 分离性能を明らかとしました。同时に、このゲート型吸着剤の特性を活かした高速度吸着分离システムを考案し、その颁翱 2 分离効率が従来方式と比较して极めて高くなることを见出しました。

本研究は、ゲート型吸着剤が颁翱 2 の吸着分离回収システムの高効率化?省エネルギー化に有用であることを初めて明らかとしたものであり、さらに高性能なゲート型吸着剤の探索?开発のための大きな追い风となることが期待されます。

本研究成果は、2020年8月3日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

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Shotaro Hiraide, Yuta Sakanaka, Hiroshi Kajiro, Shogo Kawaguchi, Minoru T. Miyahara & Hideki Tanaka (2020). High-throughput gas separation by flexible metal–organic frameworks with fast gating and thermal management capabilities. Nature Communications, 11:3867.

  • 日刊工業新聞(8月4日 15面)に掲載されました。