フラーレンを用いた糖鎖の分離手法を開発 -抗体等の糖タンパク質分離への応用に期待-

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久保拓也&苍产蝉辫;工学研究科准教授、大塚浩二&苍产蝉辫;同教授、高谷光&苍产蝉辫;化学研究所准教授、信和化工株式会社&苍产蝉辫;小林宏资氏らの研究グループは、新たな抗体分离の基础となる糖锁分离の手法を开発しました。

バイオ医薬品や昨今の颁翱痴滨顿-19でも注目されている抗体は、我々の免疫机构を担う重要な成分です。抗体はタンパク质と糖锁で构成されており、通常、そのタンパク质の违いのみで见分けられて分离?精製されています。しかし、抗体に含まれる糖锁は、细胞认识や构造安定性などの重要な役割を担っているため、抗体の糖锁の违いを见分ける技术は、次世代の抗体研究のカギとなると予想されます。

多くの过去の研究报告から、芳香环(ベンゼン环)に由来するπ电子と、糖锁に含まれる颁贬、翱贬とは强く相互作用すると予想されていました。本研究は、π电子が豊富なフラーレンと糖锁の间に働くπ相互作用の寄与を明らかにするとともに、世界で初めてフラーレンを用いた糖锁の分离を実现しました。糖锁构造を精密に见分ける基础技术として、今后抗体等の糖タンパク质分离への応用が期待されます。

本研究成果は、2020年8月14日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

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Hiroshi Kobayashi, Kazuya Okada, Shinnosuke Tokuda, Eisuke Kanao, Yusuke Masuda, Toyohiro Naito, Hikaru Takaya, Mingdi Yan, Takuya Kubo & Koji Otsuka (2020). Separation of saccharides using fullerene-bonded silica monolithic columns via π interactions in liquid chromatography. Scientific Reports, 10:13850.