试験管内で培养されるヒト多能性干细胞由来の胚様构造体を用いた研究の伦理的课题を考察

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澤井努 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)特定助教 ( 颈笔厂细胞研究所 特定助教)、皆川朋皓 颈笔厂细胞研究所 研究员らの研究グループは、试験管内で培养されるヒト多能性干细胞由来の胚様构造体を用いた研究の现状と展望を基に、将来、通常の胚に似た胚様构造体が作製される可能性を指摘するとともに、胚様构造体が孕む伦理的课题に対応しながらどのように研究を进めていくのがよいのかを示唆しました。

本研究では、人へと成长する「潜在性」の考え方に着目することで、どのような种类の胚様构造体を伦理的に配虑し、「14日ルール」(ヒト胚を用いた研究における国际的伦理规则)を适用すべきなのかを考察しました。胚は一般的に、受精してから発生を进める过程で、胎児、人へと成长する部分と、胎盘になる部分に分かれます。现在の技术レベルでは难しいですが、(それを可能にする)技术と(それをしたいという)意図さえあれば、将来的に胎児、人へと成长する部分を适切な环境下で発生させることが可能になります。その意味で、胚様构造体を用いた研究をどの程度认めてよいかは、胎児、人へと成长する部分を含むかどうかに依存すると言えます。この理解を前提に、现在、14日ルールの下、通常の胚を原始线条の形成以降、発生させてはならないように、胚様构造体も胎児、人へと成长する部分を含む场合には、原始线条の形成以降、発生させるべきではないと论じました。一方、胚様构造体でも胎児、人へと成长する部分を含まない场合、体细胞を用いた研究などと同じように行ってもよいと指摘しました。

本研究成果は、2020年7月28日に、国際学術誌「EMBO reports」のオンライン版に掲載されました。

図:胚様构造体の种类

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Tsutomu Sawai, Tomohiro Minakawa, Jonathan Pugh, Kyoko Akatsuka, Jun K. Yamashita, Misao Fujita (2020). The moral status of human embryo‐like structures: potentiality matters? EMBO reports, 21(8):e50984.