細胞集団による波パターン形成の新理論を発表 -力学-生化学相互作用による集団の振る舞い-

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日野直也 生命科学研究科特定助教、平島剛志 医学研究科講師らの研究グループは、Daniel Boocock Institute of Science and Technology Austria博士課程学生、Edouard Hannezo 同教授らのグループと共同で、細胞集団運動時に見られる細胞密度や分子活性状態が織りなす波状の時空間パターン形成を説明する新しい理論を提唱しました。

细胞集団が创り出す时空间パターンは生命科学のみならず非平衡物理学などの他分野でも広く関心を集めています。しかし、パターン形成における细胞の力学と细胞内の生化学反応との统合的?定量的理解は不十分でした。

本研究では细胞が生み出す机械的な力や分子活性の测定?操作技术を用いて定量的なデータを取得し、数理モデルを构筑しました。数理解析により、复雑な时空间パターンを生み出す条件やパターンを特徴づける量を导出しました。さらに、细胞集団で観察される分子活性の时空间パターンが、细胞集団运动の促进に最适化されていることを理论的に提唱しました。本研究成果は、细胞に限らず能动的に运动する仕掛けを持つ物体集団の复雑流体现象の理解に寄与することが期待されます。

本研究成果は、2020年9月29日に、国際学術誌「Nature Physics」のオンライン版に掲載されました。

図:细胞集団における分子活性の波纹(左は実験観察、右はモデルのシミュレーション)

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Daniel Boocock, Naoya Hino, Natalia Ruzickova, Tsuyoshi Hirashima & Edouard Hannezo (2021). Theory of mechanochemical patterning and optimal migration in cell monolayers. Nature Physics, 17(2), 267-274.