ミヤマニガウリの葉が実を守る「温室」を作ることを発見 -91歳自然観察ガイドの10年越しの観察が論文に-

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酒井章子 生態学研究センター教授、 直江将司 森林研究?整备机构森林総合研究所主任研究员、 长冈信幸氏 らの研究グループは、ミヤマニガウリという植物で、秋に叶が花や実を包み、実の成长を促すことを明らかにしました。

植物において、叶は光合成のための器官であり、开花や结実のための叶は、これまで知られていませんでした。ミヤマニガウリの叶は、叶緑体も少なく、光合成よりもいわば「温室」として実を守ることに特化した叶だといえます。

この现象は、论文の第一着者の长冈氏によって、2008年に発见されました。长冈氏は、山形県の月山山麓にある県立自然植物园で毎年観察を重ね、叶が寒さから実を守っているのでは、と考えました。相谈を受けた酒井教授、直江研究员らが、2018年に长冈氏と调査を行い、このような叶の役割が明らかとなりました。ただし、「温室」は厳しい寒さから花や実を守る一方、花粉媒介を行う昆虫の访花を妨げます。温室の形成が植物の交配にどのような影响を与えているのかは、今后明らかにされるべき兴味深い课题です。

本研究成果は、2020年10月7日に、「Proceedings of the Royal Society B(英国王立協会紀要)」のオンライン版に掲載されました。

図:(左)この现象の発见者である长冈氏。(右)下からのぞいた「温室」。

详しい研究内容について

书誌情报

【顿翱滨】

Nobuyuki Nagaoka, Shoji Naoe, Yu Takano-Masuya and Shoko Sakai (2020). Green greenhouse: leaf enclosure for fruit development of an androdioecious vine, Schizopepon bryoniifolius. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 287(1936):20201718.