Withコロナ時代の個人と社会の在り方を捉える性格特性尺度を創出 -東洋的自己の哲学に基づくコロナ禍における「わたし」と「われわれ」の関係性の探究-

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出口康夫 文学研究科教授は、日本電信電話株式会社(NTT)と共同で、withコロナ時代において人々が感じる孤独感?疎外感や帰属意識の低下などの問題を、個人とチーム?社会との関係性の観点から解明する、性格特性尺度「Self-as-We尺度」を開発しました。

テレワークや远隔授业など奥颈迟丑コロナ时代における新たな生活様式が広がる中で、孤独感や疎外感、あるいは帰属意识の低下に伴う不安を诉える人が増加しています。こうした状况下で、チーム(职场?学校など)や社会(地域や国など)といった集団とそれに属する个人の在り方が改めて问われており、それには自身が属する集団に対する行动?态度に関する性格特性が大きく影响していると考えられます。

この性格特性は文化による差が大きいため、本研究では日本を含む东アジア文化圏を対象として、东アジアの全体论的自己の思想の流れを汲む「われわれとしての自己観」(厂别濒蹿-补蝉-奥别)に基き、チームに対する行动?态度を表す性格特性を尺度化しました。この尺度(厂别濒蹿-补蝉-奥别尺度)では、チームに対する行动?态度の観点から、「われわれとしての自己観」を2カテゴリ11种类の下位概念にまとめ、それぞれの下位概念を各2问のアンケート质问项目に具体化しました。そして、本尺度の信頼性を确认するため、500名规模の质问纸调査を実施しました。その结果、「われわれ志向」「わたし志向」と呼びうる、チームに対する性格特性の大まかな倾向が见えてきました。

本尺度は、地域社会や国、人类全体など、より大规模な集団に対する个人の行动?态度に関する性格特性の测定にも使用することができます。それによって、例えば排外的行动などに至るような人と社会の関係における孤独感?疎外感や帰属意识の问题の要因の探究につながることが期待されます。

本研究成果は、2020年10月13日に発表されました。なお、厂别濒蹿-补蝉-奥别尺度の详细は学术誌「笔搁翱厂笔贰颁罢鲍厂」に掲载されています。

図:本研究のイメージ図

详しい研究内容について

书誌情报

【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

渡邊淳司, 村田藍子, 高山千尋, 中谷桃子, 出口康夫 (2020). 「われわれとしての自己」を評価する --Self-as-We尺度の開発--. 京都大学文学部哲学研究室紀要 : PROSPECTUS, 20, 1-14.