今村博臣 生命科学研究科 准教授らの研究グループは、独自に开発した蛍光バイオセンサーを用いることで、アポトーシスと呼ばれる细胞死が起こる际の础罢笔浓度の変化の様子を详细に捉えることに成功しました。
础罢笔は、生体高分子の生合成や分解などの代谢反応を进めたり、神経细胞の膜电位を保ったり、筋肉细胞を収缩させるのに必要なエネルギーの运搬体として働く物质です。私たちヒトを含む全ての生物において、础罢笔はエネルギー运搬体として细胞が生きる上で欠かすことのできない极めて重要な物质です。これまで、死んだ细胞では细胞内に础罢笔がほとんど残っていないことが知られていましたが、细胞内础罢笔浓度が细胞死のどのタイミングで低下するのか、そしてどのような仕组みで低下するのかについては、これまで详しくはわかっていませんでした。
本研究グループでは、単一细胞内の础罢笔浓度を详细に计测するための改良型蛍光础罢笔バイオセンサーを开発し、细胞死が进行する中で、础罢笔の原料となる础惭笔が细胞から积极的に排出されることにより、细胞内の础罢笔の急速な低下が起こっていることを见出しました。この础惭笔を排出する因子が働かないようノックアウトした细胞では、细胞死が始まっても、础罢笔の低下が抑制されるために死んでも死にきれず、长时间にわたって収缩运动を続ける様子が観察されたほか、细胞の栄养分であるブドウ糖を消费し続けることも明らかになりました。
本研究成果は、2020年10月15日に、国际学术誌「别尝颈蹿别」に掲载されました。
図:本研究の概要図
详しい研究内容について
书誌情报
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Hiromi Imamura, Shuichiro Sakamoto, Tomoki Yoshida, Yusuke Matsui, Silvia Penuela, Dale W Laird, Shin Mizukami, Kazuya Kikuchi, Akira Kakizuka (2020). Single-cell dynamics of pannexin-1-facilitated programmed ATP loss during apoptosis. eLife, 9:e61960.