種子を保護するネオリグナンの生合成機構を解明 -新たな薬効成分の創出に期待-

ターゲット
公开日

 山村正臣 生存圏研究所特任助教、梅澤俊明 同教授、榊原圭子 理化学研究所上級研究員、斉藤和季 同グループディレクターらの研究グループは、シロイヌナズナの種子に含まれる「ネオリグナン」の生合成に必要な酵素とタンパク質を発見し、ネオリグナンが種皮の外来異物透過性を抑制することを明らかにしました。

 ネオリグナンは植物に含まれる化合物群であり、ヒトに有益な抗溃疡性や抗菌活性などさまざまな生理活性を持っています。しかし、これまでネオグリナンの生合成経路や植物にとっての役割は不明でした。

 今回、本研究グループは、シロイヌナズナの种子に存在するネオリグナンの详细な化学构造を决定しました。また、ネオリグナンの生合成に関わるディリジェントタンパク质と酸化酵素ラッカーゼの遗伝子を同定し、ネオリグナンの生合成経路を明らかにしました。さらに、ネオリグナンが种皮の外来异物透过性を抑制したことから、ネオリグナンは植物の种子を乾燥や酸化、害虫や病原菌などの环境要因によるストレスから化学的に防御する役割を果たしていると考えられます。

 本研究成果は、新たな薬効成分の创出に向けたネオリグナンの代谢エンジニアリングに贡献すると期待できます。

 本研究成果は、2020年11月27日に、国際学術誌「The Plant Cell」のオンライン版に掲載されました。

メイン画像
図:シロイヌナズナの种子の走査电子顕微镜写真(左)と本研究で决定したネオリグナンの构造(右)

 

研究者情报
研究者名
梅澤 俊明
书誌情报

【顿翱滨】

【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

Keiko Yonekura-Sakakibara, Masaomi Yamamura, Fumio Matsuda, Eiichiro Ono, Ryo Nakabayashi, Satoko Sugawara, Tetsuya Mori, Yuki Tobimatsu, Toshiaki Umezawa, Kazuki Saito (2021). Seed-coat protective neolignans are produced by the dirigent protein AtDP1 and the laccase AtLAC5 in Arabidopsis. The Plant Cell, 33(1), 129-152.

関连部局