楽器訓練で高齢者の認知機能が向上することを確認 -訓練による脳活動の変化を高齢者で初報告-

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 积山薫 総合生存学館教授、郭霞 同特別研究学生(現?熊本大学博士課程学生)、山下雅俊 同特任助教らの研究グループは、高齢者が初心者として楽器の練習に取り組むことで認知機能が向上することを、脳活動の変化としてとらえました。

 楽器の练习は、脳の加齢による衰えを食い止めるのに有効なのではないか、という考え方に対する学术的な里づけは不十分でした。本研究グループは、平均年齢73歳の健常高齢者66人をランダムに2群に分け、一方には楽器(键盘ハーモニカ)のグループレッスンを4か月受けてもらい(介入群)、もう一方はその期间に待机し(统制群)、4か月后に両群间にどのような违いが生じるかを调べました。その结果、楽器训练によって言语记忆の成绩が向上し、平易な课题をしているときの脳活动に「神経処理効率化」がみられました。同じ成绩を上げるのに介入前より少ない脳活动や部位间の活动同期ですむようになっており、こうした神経処理効率化の一部が言语记忆向上と相関していました。楽器训练により高齢者の认知机能向上をもたらすポジティブな変化が脳で起こるという本研究の结果は、超高齢社会における集団での音楽活动の有用性を示しています。

 本研究成果は、2020年12月8日に、国際学術誌「Human Brain Mapping」のオンライン版に掲載されました。

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図:左被殻を起点とした解析において、この部位と右上侧头回との活动同期性が介入后に减少した人ほど、记忆成绩の向上が大きかった。このことから、活动同期性の减少は、神経処理効率化を示すと考えられた。
研究者情报
研究者名
积山薫
研究者名
山下雅俊
书誌情报

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Xia Guo, Masatoshi Yamashita, Maki Suzuki, Chie Ohsawa, Kohei Asano, Nobuhito Abe, Takahiro Soshi, Kaoru Sekiyama (2021). Musical instrument training program improves verbal memory and neural efficiency in novice older adults. Human Brain Mapping, 42(5), 1359-1375.

メディア掲载情报

毎日新聞(2月6日夕刊 9面)に掲載されました。