幸福感と共感性を関連付ける安静時脳機能ネットワークの解明 -前頭前皮質の機能的結合性の役割-

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  月浦崇 人间?环境学研究科教授らは、勝見祐太 米国ノースイースタン大学博士研究員、 Florin Dolcos イリノイ大学准教授らと共同で、幸福感と共感性を関連付ける安静時における脳機能ネットワークを解明しました。

 主観的幸福感とは、日々の生活の情动的体験や満足感の主観的评価のことを指します。これまでに、主観的幸福感は他者への共感性に関连することが报告されてきましたが、この相関関係の基盘となる脳机能については明らかにされていませんでした。

 本研究グループは、日本人の若年者を対象に、安静时における脳机能ネットワークの结合性を机能的磁気共鸣画像法(蹿惭搁滨)を用いて计测し、质问纸によって得られた主観的幸福感や共感性の指标との相関を解析しました。その结果、主観的幸福感と共感性の一要素である个人的苦痛(他者の苦痛に対して动揺するなどの自己志向性の感情反応を示す度合い)は互いに负の相関を示しており、さらにそれぞれが前头前皮质を中心とする広汎な脳领域间の结合性に、対照的に関连することが明らかになりました。特に、主観的幸福感と个人的苦痛の相関は、デフォルトモードネットワークや前头头顶ネットワークをはじめとした脳の大规模ネットワークと前头前皮质との结合における个人差によって媒介されることが确认されました。

 この结果は、共感性に関するネガティブな自己志向が低い人ほど主観的幸福感が高く、その基盘として安静时の脳内における机能的结合性が重要であることを示唆しています。

 本研究成果は、2020年12月15日に、国际学术誌「狈别耻谤辞滨尘补驳别」のオンライン版に掲载されました。

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図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
月浦崇
书誌情报

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Yuta Katsumi, Natsumi Kondo, Sanda Dolcos, Florin Dolcos, Takashi Tsukiura (2021). Intrinsic functional network contributions to the relationship between trait empathy and subjective happiness. NeuroImage, 227:117650.