ワイル強磁性体の新しいスピン機能の開拓 -ワイル強磁性体Co2MnGaにおける巨大なスピン流=電流変換効率を発見-

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 Livio Leiva 工学研究科博士課程学生、白石诚司 同教授らの研究グループは、Victoria University of Wellington(ニュージーランド)のSimon Granville 博士らと共同で、近年極めて強い関心を持たれている21世紀の新しい物質相であるワイル強磁性体と呼ばれる物質において、電子スピンの流れであるスピン流と電流の間の巨大変換効率が実現できることを発見しました。

 2016年のノーベル物理学赏がトポロジカル物质科学の草分けというべき研究に与えられたことでもわかるように、21世纪の物质科学におけるトポロジーの役割は巨大なものがあり、トポロジカル絶縁体?トポロジカル超伝导体?ワイル强磁性体など、物质の特徴を决定づける因子がその物质中の电子状态の捻じれに由来する物质群を対象とした研究が爆発的に盛んになっています。本研究では、そのような物质の1つで、磁石の机能を持つトポロジカル物质であるワイル强磁性体颁辞2惭苍骋补において、その电子状态の捻じれに由来する极めて高いスピン流=电流変换が可能であることを発见しました。この変换効率は强磁性体では世界最高、现在知られているすべての物质と比べてもタングステン(奥)に次ぐ2番めの高い効率です。

 本研究成果は、2021年1月30日に、国際学術誌「Physical Review B」のオンライン版に掲載されました。

本研究で用いたワイル強磁性体Co2惭苍骋补の构造と、本研究で作製した素子构造?测定原理
図:本研究で用いたワイル强磁性体颁辞2惭苍骋补の构造と、本研究で作製した素子构造?测定原理

 

研究者情报
研究者名
白石诚司
书誌情报

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L. Leiva, S. Granville, Y. Zhang, S. Dushenko, E. Shigematsu, T. Shinjo, R. Ohshima, Y. Ando, and M. Shiraishi (2021). Giant spin Hall angle in the Heusler alloy Weyl ferromagnet Co2MnGa. Physical Review B, 103(4):L041114.