石塚真太郎 霊長類研究所研究員は、香川県?小豆島?銚子渓周辺に生息するニホンザルの猿団子について観察を行なったところ、優位なオスほど猿団子の内側を陣取り、多くの個体と接触していることを明らかにしました。
动物の世界では、寒さを凌ぐための行动が数多く知られています。他方これまで同一种の中で、防寒のための行动や、そこから得られる「暖」の量の个体差については、十分に调べられてきませんでした。そこで本研究では、集団内に厳格な顺位序列が存在することで知られるニホンザル(Macaca fuscata)を対象とし、オスの顺位と猿団子内の位置、および接触个体数の関係を分析しました。その结果、高顺位のオスほど猿団子の内侧を阵取り、多くの个体と接触していることがわかりました。ニホンザルのオスにとって集団内で高顺位を得ることは、多くの食物や繁殖机会を得るだけでなく、効率良く寒さを凌ぐことにもつながっていると考えられます。
本研究成果は、2021年1月29日に、国際学術誌「Behavioural Processes」のオンライン版に掲載されました。

【顿翱滨】
Shintaro Ishizuka (2021). Do dominant monkeys gain more warmth? Number of physical contacts and spatial positions in huddles for male Japanese macaques in relation to dominance rank. Behavioural Processes, 195:104317.
京都新聞(2月8日夕刊 1面)、産経新聞(2月5日 20面)、日本経済新聞(2月5日 34面)、毎日新聞(2月9日夕刊 7面)、および読売新聞(2月5日夕刊 9面)に掲載されました。